小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『捩れ屋敷の利鈍』森博嗣

2002年08月22日 | ミステリ感想
~あらすじ~
秘宝『エンジェル・マヌーバ』が眠るメビウスの帯構造のねじれた屋敷。
密室状態の建物の内部で死体が発見され、秘宝も消えてしまった。
さらに、完璧な密室には第二の死体が。
招待客は保呂草潤平、そして西之園萌絵。二人があばきだす真実とは?


~感想~
Vシリーズは良作と、駄作とまでは言わないが口に合わない作品が交互に来る印象。
今作は後者のたぐい。もっとも、密室本という企画自体が(以下自粛)。
とあるトリックに気づいていると、なおさら楽しめる。ファンには国枝先生の登場がうれしい。


02.8.22
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『芙路魅』積木鏡介

2002年08月21日 | ミステリ感想
~あらすじ~
三人の幼児の腹を切り裂いた怪物が19年の時を隔て甦った。
いわくつきの屋敷の地下室には内臓をさらしたいくつもの死体。
警察が包囲する中、犯人はどこに消えたのか。
謎の中心には不幸に取り憑かれた「芙路魅」という少女が。


~感想~
密室本。
(ネタバレ→)脳髄がくらくらするような異常世界。初のメタでありメタでない物語。アンチメタ? アンチメタって普通のミステリやん。破綻しながらも破綻せず、幻でありながら現でもある異形の作品。こんな“密室”はかつてない。


02.8.21
評価:★★★☆ 7
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ミステリ感想-『闇雲A子と憂鬱刑事』麻耶雄嵩

2002年08月18日 | ミステリ感想
~あらすじ~
非番の刑事天城憂の車に、女性が乗り込んできた。
彼女は真幌市在住のミステリ作家闇雲A子。
この春から十一件もの連続殺人を起こした「真幌キラー」をA子は追っているのだ。
死体の耳が焼かれ、そばには必ずなにかが置かれている。
犬のぬいぐるみ、闘牛の置物、角材……。
真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは?


~感想~
悪ふざけだけで書かれたような、なんとも評価しづらい作品。
勝手に好き放題「まほろ市」の設定を作りまくっているようなw
肩の力を抜かして書いた、それでも氏らしい物語。


02.8.18
評価:★★ 4
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ミステリ感想-『夏に散る花』我孫子武丸

2002年08月18日 | ミステリ感想
~あらすじ~
新人作家のもとへ届いた一通のファンレター。
執筆に行き詰まっていた作家はまだ見ぬ彼女に恋をした。
一度は会うことができたものの、彼女との連絡は突如としてとぎれ……。
思いを募らせる作家がとった行動が、思いがけない事件を呼ぶ。


~感想~
諸事情により一言。「浅い」


02.8.18
評価:なし 0
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ミステリ感想-『館という名の楽園で』歌野晶午

2002年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「奇妙な殺人事件は、奇妙な構造の館で起こるのが定説です」
西洋館の主は、四人の招待客に、それぞれが殺人者、被害者、探偵役になって行う
『殺人トリック・ゲーム』の開催を提案する。
時空を超えて幽霊のごとく現れる奇怪な現象、謎、そして最後に待ち受ける悲劇とは?


~感想~
こんな細工、こんな設定以外では使いようがない。『生存者、一名』程の切れ味はないが、よくできた佳作。
中編ならではのトリックを仕掛けてくれる。


02.8.17
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『樹海伝説』折原一

2002年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
湖畔の樹海に棲む一家の主が、家族を斧で惨殺し失踪。
数年後、事件を究明するため、若者が一人で森に分け入り遭難。
そして今、若者が遺した克明な手記『遭難記―魔の森の調査報告書』を片手に、男女二人の大学生が樹海に足を踏み入れる。


~感想~
問題外すれすれ。
見事な解決も驚愕の真相も全くない、退屈きわまりないもの。
期待はずれ甚だしい。文章も本気を出した時の実力を知っているだけに、あまりに手を抜きすぎ。


02.8.17
評価:なし 0
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ミステリ感想-『まほろ市の殺人春 無節操な死人』倉知淳

2002年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「人を殺したかも知れない……」美波はカノコから電話を受けた。
七階の部屋をのぞいていた男をモップでベランダから突き落としてしまったのだ。
ところが地上にはなんの痕跡もない。翌日、警察が鑑識を連れ訪れる。
なんと、カノコが突き落とした男は、それ以前に殺され、真幌川に捨てられていたのだ。


~感想~
ものすごく豪快なトリックは、もはやギャグとしか思えない。伏線の妙にも舌を巻く。
青春小説のような体裁で、ヘンに似合わない、安っぽい描写をしているのがなんとももったいない。
ただのトリック一本で見れば、とんでもない作品なのだが。


02.8.17
評価:★★☆ 5
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