小金沢ライブラリー

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今週のNXT #235

2014年08月29日 | 今週のNXT
NXTタッグ王座トーナメント準決勝
エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ ×-○ エイダン・イングリッシュ&サイモン・ゴッチ


タイソン・キッド ○-× タイラー・ブリーズ
(カウントアウト)


シャーロット ○-× ベッキー・リンチ
(ボウ・ダウン・トゥ・ザ・クイーン)


モジョ・ローリー ○-× スティーブ・カトラー

今までスティーブ・カルターと書いていたが英字で見るとカトラーが正確でした。
NXTロスターには載っていないのだがたびたび登場しているし契約選手なのだろうか。


NXTタッグ王座トーナメント準決勝
シン・カラ&カリスト ○-× アダム・ローズ&サミ・ゼイン

優勝候補のローズ組をルチャタッグが粉砕。
決勝の結果が見えた気がするがWWEではよくあること。
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ミステリ感想-『四重奏』倉阪鬼一郎

2014年08月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
<堕天使、占星術、魔術、騙し絵、迷宮、愛死、弦楽>各部屋に悪魔的な意匠をちりばめた館で奏でられる殺人組曲。屋根裏部屋から世界は覗かれ、倫理の欠片もない探偵や殺人鬼が暗躍する。館を支配する昏い旋律が止むとき、世界を揺るがす真相が明らかに。鬼才が技巧の限りをつくして描きあげた騙し絵ミステリー!
※裏表紙から転載


~感想~



もう本当に何が何だかわからない。
文章は煩雑きわまりなく、詩的で謎めいた会話の意味がつかめないどころか、話の筋を追うことすらできない有様。
どこまでが比喩でどこまでが現実なのか、そもそも何が起こり何を語っているのか、断片的に得られる情報を放置しながらLと同じ表情でなかば苦行のごとく読み進めること160ページ、まずはいかにもクラニーらしいあんまりな舞台背景が明かされ、それでもなおストーリーそのものはわからずにいると……。
趣向が明かされるや唖然呆然愕然のもう笑うしかないバカ過ぎるトリックに魂を抜かれた。なんだこれは。なんなんだこれは!
仕掛けがわかってもなおややこしい、読み返す気も起きないようなバカさ加減に、ただただ苦笑するばかり。
最新作「波上館の犯罪」を「バカミスに別シリーズを悪魔合体」と紹介したが、お詫びして訂正します。本当の悪魔合体はこっちでした。

だがこれはいくらなんでもやりすぎた。160ページも何が何だかわからない文章に付き合わされるのはきつすぎるし、真相開示を境に物語は再び詩的に私的な世界へ回帰していき、幻想的なラストを迎えてしまうのもひとりよがり。
バカミス界の小林幸子を自認する最近のクラニーにもしいま本作を書かせたならば、これだけの仕掛けを弄しつつもわかりやすい物語を書き上げることだろうが、この時点の作者には腕が(あるいは親切さが)無かったのだろう。
一読の価値はある、ありすぎるとんでもないバカトリックながら、それが明かされるまでの道のりはこの上ない苦行なので、読むなら十分に覚悟を。


14.8.25
評価:★★★ 6
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今週のキン肉マン #102 時代を創る者!!

2014年08月25日 | 今週のキン肉マン
・3ページ目の顔からして真面目に聞いてないサンシャイン
・「うる」「せーぞ」「バカがぁーっ!!」外道。まさに外道
・いちおうシリアスだったこのシリーズでなんなんだこのギャグ決着はww
・星になって消えるシングマンもシュールだが手をかざしてそれを眺めるサンシャインも超シュール
・最後の最後にフォローは入ったけど試合中に一切リスペクトは無かったなこいつら
・闇に生まれ闇に消える(※ただし女子中学生の歓声は浴びに来る)
・みんな3戦3敗3死亡ってバカにするけどこの時間軸ではまだ2戦2敗2死亡だからな
・銀をぶつけると銀箔が貼られるという発想
・やばい相手強そう
・読者の期待に応えるのがコンセプトの(?)シリーズだからザ・ニンジャの勝利は間違いないと思うのだが
・逆に危ないのはトリのアシュラマン。作画の方のゆでは「アシュラマンめんどくさい」発言してるしⅡ世でもう十分に戦ってるし
・次回は金閣銀閣のトンデモ歴史が語られるに違いない
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ミステリ感想-『砂漠の薔薇』飛鳥部勝則

2014年08月23日 | ミステリ感想
~あらすじ~
美術館付属の喫茶店でバイトする奥本美奈は画家の明石尚子にモデルに誘われる。
奇矯な発言の目立つ明石の自宅隣に建つ洋館と奇妙な住人。
その洋館では3ヶ月前、親友の真利子が首無し死体で発見されていた。


~感想~
「イマドキの女子高生」なんて枠組みから数光年かけ離れた暴力的かつ退廃的な彼女らの日常(?)を筆頭に、登場人物にいわゆる常識人がおらず、どいつもこいつも頭のネジが数本外れているのがまず特徴。
死体マニアや折原一作品の語り手みたいな精神崩壊をきたした彼らが交わす会話は、当然のごとく現実離れした上滑りしまくるもので、首と衒学と意味不明な詩が飛び交い、薔薇ならぬ百合展開と相まって一般的な読者を拒絶……しそうなものだが、平易な文体と何が起ころうと飄々とした語り口で異様に読みやすいのが良いところ。
そして解決編、急に古き良き本格ミステリに立ち返ったように、伏線を段落ごと転載し丁寧に拾い集めつつ、決して多くない登場人物の中でどんでん返しを連発させ、意外な犯人を用意してみせたのはお見事と言う他ない。
振り返ってみればあからさまな伏線ばかりなのだが、エキセントリックな発言の渦に紛れ込ませ、そうとは気づかせない手管が面白い。森博嗣が「ものすごく遠回しなくどい文体に伏線を紛れ込ませれば誰も気づかない(うろ覚え)」と冗談半分に書いたことがあるが、それの奇人変人バージョンといったところか。
伏線を段落ごと転載したのはこれまで醸成してきた雰囲気を壊した感もあるが、おかげで伏線とどんでん返しの妙に貢献したし、終局での犯人の独白とエピローグで十分に空気感は挽回できたろう。
この作者にしか描けない独特の、そして意外に、といっては失礼だが意外に良く出来た秀作でした。

また文庫版のカバーイラスト、会田誠「切腹女子高生」はたぶん相当数の読者の購入意欲を削いだものの、これ一枚で本書の内容を表したといって過言ではない「だいたい合ってる」逸品なので、ぜひ書店でカバーだけでも見ていただきたい。


14.8.22
評価:★★★ 6
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今週のNXT #234

2014年08月22日 | 今週のNXT
NXTタッグ王座挑戦権争奪トーナメント一回戦
モジョ・ローリー&ブル・デンプシー ×-○ エイダン・イングリッシュ&サイモン・ゴッチ

個々の実力ではモジョ組のほうが上だが、タッグの連携ではイングリッシュ組に一日の長があったか。
なお試合後にデンプシーがモジョを襲いヒールターンしたとのこと。


NXT女子王座挑戦権争奪戦
ベイリー ○-× サーシャ・バンクス
(ロールアップ)

徐々に戦績を上げていたベイリーがついにタイトル戦にたどり着いた。
一度ペイジに挑戦してはいるが、あれは数合わせのようなもので、今回は実力で得たもの。試合後にはシャーロットが現れ握手を交わしたとのこと。


NXTタッグ王座挑戦権争奪トーナメント一回戦
シン・カラ&カリスト ○-× ウェズリー・ブレイク&バディー・マーフィー

覆面ルチャドール同士で統一感もあるシン・カラ組がトーナメント優勝本命か。
敗れたマーフィーはNXT #221以来の登場だが今度もジョバー役。
ちなみにその時の相方だったエリアス・サンプソンはいまだ再登場していない。


NXT王座戦
エイドリアン・ネヴィル ○-× タイラー・ブリーズ
(タイソン・キッドの乱入により反則)防衛成功

観戦していたキッドが手出ししたため反則決着。
王座戦をフイにされたブリーズはキッドと乱闘し、そこにネヴィルとサミ・ゼインも加わりなんやかやあってタッグ戦へ。


エイドリアン・ネヴィル&サミ・ゼイン ○-× タイソン・キッド&タイラー・ブリーズ
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これまでのNXT

2014年08月18日 | 今週のNXT
KENTAとプリンス・デヴィットのWWE入団にあわせ、NXTの日本放送を再開するとの報を受け、更新停止していたこれまでの「今週のNXT」を全て書きました。
主に現地情報サイトから試合結果等を写したため、正確さには欠けることがあり、実際の試合も観ていないので記事は簡潔です。
放送再開したら試合内容についても書く予定です。
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ミステリ感想-『さよなら神様』麻耶雄嵩

2014年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「犯人は●●だよ」
一行目から真犯人をずばり公開。
絶対嘘をつかない神様探偵が示す意外な真犯人に少年探偵団が迫る連作短編集。


~感想~
子供向けレーベルなのに全く子供向けではないセメントファイトで、子供はもちろん大人の読者にもトラウマを刻み込んだ「神様ゲーム」の神様探偵がカムバック。なんと一行目から真犯人をずばり公開! やっぱり麻耶は頭おかしいな!(満面の笑みで)
なにぶん犯人が明らかになっている状態なのでフーダニットは崩壊しており、謎解きはアリバイ崩しやハウダニットに限定されるように思われる。
実際、はじめの三作は厳しい制約下でもがき苦しむような窮屈な推理で、それぞれ趣向は凝らされているが(麻耶作品にしては)おとなしい印象を受ける。
しかし四作目の「バレンタイン昔語り」から急転直下、この設定でしか成し得ない驚愕の仕掛けが炸裂し、読者の度肝を抜くことは間違いない。短編集のうち一作は必ず年間ベスト級の傑作を入れてくるのだからさすがである。
つづく五作目の「比土との対決」はゲーム「スーパーダンガンロンパ2」の某事件を思い出させる、設定の裏をかく変化球。
掉尾を飾る「さよなら神様」はこれまでの定石を破りつつ、全編に張りめぐらせた伏線を回収し、「神様ゲーム」のようなトラウマを叩き込む――と思いきや凡夫がそんなの関係ねえと神様に一矢報いる(?)ちゃぶ台返しで幕を閉じる構成がにくい。

登場人物はどいつもこいつも、語彙もセリフ回しも思考も推理力もまるっきり小学生じゃないけれどそんなものは瑕疵にもならない。
「神様ゲーム」それ自体がとんでもないアイデアなのに、その神様を使ってこんなトンデモ趣向の連作短編集を仕上げてしまう、麻耶雄嵩はつくづく恐ろしい。


14.8.15
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『波上館の犯罪』倉阪鬼一郎

2014年08月16日 | ミステリ感想
~あらすじ~
孤高の芸術家が建てた波上館。その内外で次々と起こる不可解な死。
脳波を放ち世界を変えることを企んだ今は亡き芸術家が犯人なのか。


~感想~
毎年恒例のバカミスに別シリーズを悪魔合体。
作者が「すべての文章、いや、すべての言葉が伏線になっているミステリー」「もうここから先へは行けません」と言うように、いつもの偏執的な細工が施されるとともに、「わたしは犯人、被害者、探偵、記述者」という一人四役ネタまで組み合わせた大変な労作で、もう執筆作業を想像するだに戦慄せざるをえない。
しかしせっかくの細工は数十ページも読めば容易に気づきうるもので、それ以上のものは無いのが残念。
まあそれ以上のものを期待するとさすがにクラニーが死ぬので無理は言えない。何はともあれ本当にお疲れ様でした。


14.8.14
評価:★★★ 6
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今週のNXT #233

2014年08月15日 | 今週のNXT
NXTタッグ王座挑戦権争奪トーナメント一回戦
エンツォ・アモーレ&コリン・キャサディ ○-× タイ・ディリンジャー&ジェイソン・ジョーダン

アセンションの一党支配(というか放置プレイ)だったタッグ王座戦線にようやく動きが。
おそらく優勝チームの王座奪取は確実と思われるトーナメント、まずはNXTでタッグ歴の長いアモーレ組が勝ち上がった。


エグザビア・ウッズ ×-○ CJパーカー


エヴァ・マリー ×-○ ベイリー

エヴァは一軍だがサブのリアリティ番組出身でプロレスはほとんど未経験。ようやくNXTで修行をさせる流れか。
ベイリーにも負けるとは選手としての格付けはやはり相当低いな。


NXTタッグ王座挑戦権争奪トーナメント一回戦
アダム・ローズ&サミ・ゼイン ○-× タイソン・キッド&ジャスティン・ガブリエル
(串刺しケンカキック)

急造タッグチームのローズ&ゼインが同じく急造とはいえ一軍タッグに勝利。
まだWWEで未冠のローズとゼインにベルトを獲らせる可能性は十分にありそう。というかこのチームに勝てそうな相手が見当たらないぞ。
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ミステリ感想-『GOTH』乙一

2014年08月12日 | ミステリ感想
  


~収録作品とあらすじ~
「私にも、その表情のつくりかたを教えてくれる?」黒ずくめで他人を寄せ付けない雰囲気の彼女―森野夜は僕の「人を殺す側」の本性を見抜いていた。
死に心惹かれる僕と彼女の前に次々と現れる猟奇的な犯人たち。それは暗黒面に落ちた彼らと落ちそうな僕らの物語。


暗黒系
森野が拾った連続猟奇殺人犯の手帳をもとに、僕らは未発見の第三の犠牲者を探しに行く。
その後、犠牲者の服装を真似し始めた森野が行方をくらませ――。


近所で飼い犬が誘拐される事件が頻発。
死体を発見する特殊技能を持つ妹が河原で見つけた「それ」を見た僕は犯人を待ち伏せする。

記憶
寝不足に悩まされる森野。首に紐を巻き付けるとよく寝られると言う彼女とともに理想の紐を探しへ。
紐にまつわる彼女の幼い日の記憶とは。

リストカット事件
老若男女を問わず手首を切り持ち去るリストカット事件。
その犯人の正体を確信した僕はある行動に出る。


人を生き埋めにする衝動に駆られる男。
彼が第二の標的に定めたのは黒く長い髪を持つ彼女だった。


語るもはばかられる無惨な方法で殺された姉。
私の前に現れた犯人を名乗る少年は、姉の声が録音されたテープを渡す。

2002年本格ミステリ大賞、このミス2位、文春7位、本ミス5位


~感想~
↓主にプロット面でややネタバレ注意↓
作者が文庫版のあとがきで「犯人や主人公の彼らは人間ではなく妖怪だと考えてください」と言うように、金田一少年やコナンばりの頻度で次々現れる猟奇的な犯人たちは、初野晴の傑作「1/2の騎士」を思い出させるが「1/2の騎士」のマドカたちとは違い、「GOTH」の彼らは犯人と対決などしない。
結果的に犯行を暴くことはあっても、彼らはそもそもが犯人側の人間であり、共感はしても反発はしない。(もっとも彼らの片方は巻き込まれるだけだし、回を重ねるごとにただの不思議ちゃんへと近づいているのだが)

そんな厨二病を高二までこじらせている彼らの香ばしい言動を軸に物語は描かれ、目新しいトリックやミスディレクションは見当たらない。作者は「ラノベ読者にミステリの魅力を伝えたい」と志したそうだが、初歩の初歩くらいのトリックばかりで実のところ乙一は本格ミステリを大して読んでいなさそうな気配も濃い。
伏線の張り方や忍ばせ方、トリックの仕掛け方や解決へと至るロジックがただただそつないだけで、文章もとにかく読みやすいが別段上手いわけではなく(媒体がラノベだからだろうが)語彙も非常に少ない。
これだけ列挙すれば地雷確定のようだが、読んでいる間ずっとその初歩トリックに騙され驚かされ、そつなさに感心することしきりという奇妙な体験をした。
本格ミステリ大賞に輝いたのは相手に恵まれた感もあるし(※同時受賞がオイディプス事件。候補作がマレー鉄道の謎と聯愁殺)、候補に上がったのも第一回の受賞作に「壺中の天国」を選ぶような尖り気味の賞だからだろうが、それでもこれは「尋常ではないそつの無さ」、ただそれ一本だけを武器に全てをねじ伏せた類まれな傑作と評して構うまい。

こんなことを言えるほど、というかそもそも乙一作品を他に一作しか読んでいないが、乙一以外の誰が書いても失敗作になる題材だと思う。
だから(邦画に対する完全な偏見だし、もちろん観ていないが)映画版は死ぬほど酷いことになってるんだろうなあ。


14.8.11
評価:★★★★☆ 9
コメント (2)