~あらすじ~
念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺。健診を受けていないのに送られてきたガンの通知。決して手加減をしない女探偵・葉村晶に持ちこまれる様々な事件。少し切なく、少し怖い連作短編集。
00年このミス16位。
~感想~
良質な粒ぞろいの短編集……が最終章で一気にダメミスに成り下がる。
なので、「なかった! 最終章なんてものはなかった!」として話を進めるが、若竹作品らしいストイックかつ、斜に構えたブラックな視点が楽しい女探偵の、一見地味な捜査が描かれるのだが、そこに思いも寄らない本格ミステリした仕掛けが施され、あの手この手で驚かせてくれる。
そのトリックの大胆さと来たらなかなかのもので、「普通の探偵ものを読んでいたら意外に本格だった」という生易しさではなく、どんでん返しの激しさ、伏線の張り方に、本格ミステリの手法が色濃過ぎて若干引いたほど。むしろ最初から本格物だと思って読んだほうがいいのかもしれない。
突然ファンタジィの世界にすっ飛んでいく最終章さえ度外視すれば、優れた本格短編集として楽しめることだろう。
逆に言えば、もし最終章も楽しめてしまえば隙はなくなることに。まずはお試しあれ。
11.2.25
評価:★★★ 6
念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺。健診を受けていないのに送られてきたガンの通知。決して手加減をしない女探偵・葉村晶に持ちこまれる様々な事件。少し切なく、少し怖い連作短編集。
00年このミス16位。
~感想~
良質な粒ぞろいの短編集……が最終章で一気にダメミスに成り下がる。
なので、「なかった! 最終章なんてものはなかった!」として話を進めるが、若竹作品らしいストイックかつ、斜に構えたブラックな視点が楽しい女探偵の、一見地味な捜査が描かれるのだが、そこに思いも寄らない本格ミステリした仕掛けが施され、あの手この手で驚かせてくれる。
そのトリックの大胆さと来たらなかなかのもので、「普通の探偵ものを読んでいたら意外に本格だった」という生易しさではなく、どんでん返しの激しさ、伏線の張り方に、本格ミステリの手法が色濃過ぎて若干引いたほど。むしろ最初から本格物だと思って読んだほうがいいのかもしれない。
突然ファンタジィの世界にすっ飛んでいく最終章さえ度外視すれば、優れた本格短編集として楽しめることだろう。
逆に言えば、もし最終章も楽しめてしまえば隙はなくなることに。まずはお試しあれ。
11.2.25
評価:★★★ 6