ミステリ感想－『「白鳥」の殺人』折原一

～あらすじ～
特急「白鳥」に飛び込み、死亡した河田光雄。さらに、東京で彼の上司の死体が発見された。
不正の疑いで証券会社を解雇された光雄が、不正の黒幕と噂される上司を殺し、自殺を遂げたのか。
光雄に求婚されていた石野亜矢子は、彼の兄・河田次郎とともに、事件の真相を探る旅に出た。


～感想～
あいかわらず巧みな叙述細工。
「時刻表トリック」と銘打っているから危ぶんでいたら、まさかまさか。
終盤にかけての見え見えの展開が2時間ドラマさながらだが、これは秀作。


01.10.24
評価：★★☆　５

ミステリ感想－『水の殺人者』折原一

～あらすじ～
恐怖の「殺人リスト」にまた一人の名が記された――コピー室に置き忘れられた一通の書類から始まった連続殺人事件。
次々にリストに加えられる名前、しかもその通りに殺人が起こる。密かにせせら笑っている真犯人とは。


～感想～
原題『水底の殺意』のなにが気に入らなかったんだろう。
冗長な印象はぬぐえない。驚けるほどのトリックも真相もなく、文章も練り不足。


01.10.22
評価：★☆　３

ミステリ感想－『二重生活』折原一

～あらすじ～
わたしを裏切った男と侮辱したあの女は絶対に許せない。
二人に同時に復讐するには、あの方法しかない──男に妻も子供もいると知った愛人の心に嫉妬と殺意が燃えたぎる。


～感想～
妻であり作家の新津きよみ氏との夫婦による共作。
共著ならではの緻密な構造。よくぞここまでと唸らせる。
あっと驚く大技こそないが、入り組んだプロットと叙述トリックが冴えわたる。
ぜひまた組んでほしい。


01.10.16
評価：★★★☆　７