ミステリ感想－『QED 東照宮の怨』高田崇史

～あらすじ～
「日光東照宮陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」
そして「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」。
東照宮を中心とする数々の謎は、ひとつの無駄もなく線でつながっていく。
時空を超えた巨大なミステリを、桑原崇は解き明かせるのか。


～感想～
謎が曖昧模糊としていて、解かれたときの爽快感が薄い。観念的なトリックも今ひとつ。
さすがにネタ切れか、衝撃は小さい。


01.1.31
評価：★★☆　５

ミステリ感想－『今夜はパラシュート博物館へ』森博嗣

～収録作品～
どちらかが魔女
双頭の鷲の旗の下に
ぶるぶる人形にうってつけの夜
ゲームの国
私の崖はこの夏のアウトライン
卒業文集
恋之坂ナイトグライド
素敵な模型屋さん


～感想～
（ネタバレ＆毒吐き→）
『どちらかが魔女』
叙述の見事さに唸った。

『双頭の鷲の旗の下に』
謎をちりばめておいて答えなし。ここのところそればっかり。若竹氏の『五十円玉二十枚』も「したかったのだろう」で済ませますか？

『ぶるぶる人形にうってつけの夜』
内容紹介で“西之園”書くのはどうだろうか？

『ゲームの国』
だからなんなのだろう。

『私の崖はこの夏のアウトライン』
氏にしては文が下手。

『卒業文集』
これは巧い。

『恋之坂ナイトグライド』
なぜかハナからトリックが見抜けてしまった。

『素敵な模型屋さん』
うん。


～総括に代えて～
動機放棄はいいかげんにしてもらいたい。同じ事ばかり得々と語って逃げているだけだ。あなたがものしているのは、あくまでも小説世界だ。不自然でもいいじゃないか。理知的じゃなくてもいいじゃないか。そうやって他の作家をあざ笑うような位置に立ちつづけるのは、もうやめにしてほしい。
以上、大ファンだからこその酷言。


01.1.24
評価：★★☆　５