小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『彼女が死んだ夜』西澤保彦

2001年12月29日 | ミステリ感想
~あらすじ~
門限はなんと六時! 生粋の箱入り娘ハコちゃんがやっと勝ち取ったアメリカ旅行。
キャンパス仲間たちが壮行会を開いてくれた出発前夜、家に帰ると部屋に見知らぬ女性が倒れていた。
助けを求められた男性陣がかけつけると、ハコちゃんは自分の喉にナイフをつきつけて言った。
「この死体を捨ててきてくれなければ、わたしは死ぬ!」


~感想~
※なぜか感想ノートが見当たらないので再読するまで保留します。


01.12.29
評価:★★★☆ 7
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ミステリ感想-『大年神が彷徨う島』藤木稟

2001年12月28日 | ミステリ感想
~あらすじ~
二十年に一度の祭りの生神役として「鬼界ガ島」を訪れた律子を待ち受けていた奇怪な呪文。
不思議な儀式と風習の中、神罰を受けたという謎の死体が。
名探偵・朱雀十五が秘められた異界の扉を開く。


~感想~
例によっての物理・科学の応用授業。
物語や設定はいいのだが、トリックがこればかりだとげんなりする。


01.12.28
評価:☆ 1
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ミステリ感想-『蝶たちの迷宮』篠田秀幸

2001年12月28日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「無数の白い蝶たちが漆黒の闇の中で、舞い続ける…」
1979年、僕は大学三年生の秋、密室状態の隣の部屋から突然女の悲鳴を聞いた。
現場へ急行すると、女の姿は消え、僕らの同人誌「停車場」の顧問である香川京平の絞殺死体があった。
一方、「停車場」に『蝶』という小説を持ち込んだ少年が不可解な死を遂げる。二つの事件に果たして関連はあるのか?


~感想~
「いちばん面白かったミステリはどれ?」と聞かれれば激しく迷う。
迷って迷って、結局答えは出せないだろう。
だが「いちばんつまらなかったミステリはどれ?」と聞かれれば一瞬も迷うことなく僕はこれを挙げる。
と・に・か・く・つまらなかった。
印象を一言でいえば「ひとりよがり」。読者はなにをどう楽しめばいいのやら。
延々とつづく青臭く身勝手な叫び。しょせんは『虚無への供物』をなぞるだけの二番煎じ。
ここに自分史上最悪ミステリがある。


01.12.28
評価:問題外
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ミステリ感想-『幻想運河』有栖川有栖

2001年12月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
アムステルダムにいついたシナリオライターの卵・恭司は、
バラバラ殺人事件の渦中に巻きこまれてゆく。
アムステルダムと大阪、二つの水の都をめぐる事件は意外な展開を見せる。


~感想~
意味不明。曖昧模糊として目覚ましさに欠ける。薬を礼賛するような描写は不愉快。
薬に頼って出てきた発想に、どれほどの価値があるというのだろうか?
描写といい会話といい、小粋に気どったつもりだろうが見苦しい。


01.12.27
評価:☆ 1
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ミステリ感想-『アンノウン』古処誠二

2001年12月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
侵入不可能なはずの部屋になぜか盗聴器が仕掛けられた。
密室の謎に挑むのは防衛部調査班の朝香二尉。
犯人の残したかすかな痕跡から、朝香は事件の全容をあばけるのか?

第14回メフィスト賞


~感想~
文庫化に際し改題。
いや、面白かった。単純に面白さだけで言えば今年度1位かも。
飽かせず読ませる手腕は今後の飛躍に期待大。本書を読めば、もう自衛隊を罵れまい。


01.12.27
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『怪人対名探偵』芦辺拓

2001年12月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
下校途中に暴漢に襲われ、顔に傷を負った玲美。
彼女を励まそうと誘われたコスプレ・パーティで、玲美は謎の怪人と出会う。
時計台の磔、気球の絞首刑、監禁された美女……はたして名探偵・森江春策は謎を解けるのか。
江戸川乱歩へ捧げる怪人VS名探偵!

本ミス10位


~感想~
まさしく怪人ものミステリ。
いかにもな要素がこれでもかこれでもかと詰め込まれ、装飾過多に彩られた「やりすぎ感」すらただようお祭りミステリ。
ただ、その装飾に「なぜそんなことをするのか」と問うてはいけない。答えは「だって怪人だから」と言うしかないのだから。
とにかくにぎやか。とにかく豪華。古式蒼然たる様式美が光る。
が、それだけではなく現代的なトリックも全編にわたって張りめぐらされるのだから油断ならない。


01.12.27
評価:★★★ 6
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ミステリ感想-『木製の王子』麻耶雄嵩

2001年12月26日 | ミステリ感想
~あらすじ~
山奥に隠棲する白樫家は、一点に収斂する家系図を持つ“閉じられた一族”。
その奇妙な屋敷が雪で封印された夜、再び烏有は惨劇を見た。
世界的な芸術家・宗尚の義娘、晃佳の首がピアノの鍵盤の上に置かれていたのだ。
関係者全員に当てはまる精緻なアリバイ。怜悧たる論理だけが照らしうる真相とは。

このミス12位、本ミス4位


~感想~
精密パズルと前代未聞の動機。
氏の代名詞となった“崩壊(カタストロフィ)”こそ小規模なものの、この着想と構成にはただ感心。
読了後、思わず(ネタバレ→)自分で家系図を書いてみたくなるw
贅沢を言えば、烏有にはもうちょっと活躍して欲しかったが。



01.12.26
評価:★★★★☆ 9
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ミステリ感想-『ブードゥー・チャイルド』歌野晶午

2001年12月25日 | ミステリ感想
~あらすじ~
僕の名前はチャーリー。
ある雨の晩、真っ黒な悪魔バロム・サムディにお腹をえぐられ殺されました。
前世の僕は、こうして死んだのです。
けれど、それはあくまでも前世の話で、まさか今、本当にバロム・サムディが僕の前に現れるなんて!
1998年 本格ミステリ・ベスト10 5位。

~感想~
唖然でも呆然でもない、納・得の真相。
実に無駄のない、整った構成と巧緻な意匠にはただ感服するばかり。
得意の誤解と混沌は主人公が一手に引き受けた感で、すこし残念だが……これは傑作。


01.12.25
評価:★★★★☆ 9
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ミステリ感想-『羽衣伝説の記憶』島田荘司

2001年12月25日 | ミステリ感想
~あらすじ~
吉敷はふと入った画廊で作者のない「羽衣伝説」と題された彫金を目にした。
これは、別れた妻・通子の作品では?
前妻への思いをかき立てられた吉敷は、ホステス殺しの真犯人を追いつつ訪れた羽衣伝説の地で、
通子の出生の秘密に行きあたる。


~感想~
短く鋭い佳作。シリーズ中でも重要な位置を占める一作。作品世界をより楽しむためにもお見逃しなく。


01.12.25
評価:★★★ 6
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ミステリ感想-『あなたがいない島』石崎幸二

2001年12月24日 | ミステリ感想
~あらすじ~
五日間、心理学研究のため無人島でサバイバル生活を送ることとなったトリオ。
持ち込める物はひとつだけ。しかし考えた末に持参したパソコンは壊され、携帯電話は紛失。なぜかCDやK談社ノベルスも消えた。意外や意外の真相とは?


~感想~
たった一作でずいぶんと筆力が磨かれた。
どこまでも文学性を拒絶する文章に、天然の毒舌が冴える。
謎とトリックもまずまず。肩の力を抜かし切ってすらすら読める好編。


01.12.24
評価:★★☆ 5
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