~あらすじ~
「28日後...」の続編。
感染すると凶暴性を引き起こす新種ウイルス“RAGE(レイジ)”が猛威をふるったイギリス。
感染発生から28週後、米軍主導による厳重な監視の下、ようやく復興が始まったロンドン。スペイン旅行中で難を逃れたタミーとアンディの姉弟も無事帰国し、父親ドンと再会を果たす。
しかしその場に母アリスの姿はない。彼女は、人里離れた山荘に立て籠もっていた時、ドンの目の前で感染者に襲われてしまい……。
~感想~
前作とは比べものにならない進歩を遂げ、観られる作品にはなったものの、最大の弱点である「軍人がバカ」という点はまったく改善されていないのがネック。
↓以下ネタバレ注意↓
世界を滅ぼす(&救う)ウィルスの感染者に監視を置かないのは当然として、監視カメラももちろん設置してはいない。当たり前のように部外者が接触して感染し、市民を守るために隔離したら、そこに感染者が突入してパンデミック状態。
逃げ惑う人々と感染者の区別がつかないため、軍人は片っ端から撃ち殺すことを選択。(このあたりはテロリストと一般人の区別が付かないという見えない脅威に対する暗喩もあるのだろうが、そんな小難しい社会派な理屈はこの映画にいらない気がするんですけど……)
ここまででも相当にバカだが、反目した一人の軍人が市民をつれて逃げ始めてからバカがさらにエスカレート。救助に来たヘリは感染しているかもしれない市民の収容を拒否。ヘリの軍人は無理やり乗り移ろうとする市民をぶら下げ「振り落としてやるぜ!」とノリノリで蛇行運転。そこにゾンビたちが殺到すると「プロペラで殺してやるぜ!」とさらにノリにノッて大虐殺。
しかたなく逃げていくと車がエンストしてしまい、そこに「汚物は消毒だ!」と火炎放射器を構えた軍人が迫る。市民をつれて逃げている軍人はいちおう説得とか試みればいいのに「俺にかまわず先に行け」と考えなしの自己犠牲の心に目覚め、外に出て車を押し火だるまになって死亡。
戻ってきたヘリの軍人はさっきはノリノリで拒絶したくせに、今度はなぜか市民の救助を受け入れるという謎の心変わり。
そして結局、救助した市民のせいで感染がさらに拡大という身もふたもない結末でジ・エンド。
アメリカ人はバカだと思ってたけど、イギリス人ってもっとバカなんじゃなかろうかという思いを深くした映画でした。
評価:★ 2