小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『生ける屍の死』山口雅也

1999年02月28日 | ミステリ感想
~あらすじ~
ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで蘇った!
この怪現象の中、霊園経営者一族に殺人者の魔の手が伸びる。
死んだはずの人間が生き返ってくる状況下で展開される殺人に必然性はあるのか?
自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、
肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるのか。

本格ミステリ・ベスト100 1位、このミス8位


~感想~
とにかく贅沢。トリック・論理・プロット・心理・会話・テンポ・比喩・ダブルミーニング……すべてが超一流の結実。
スラップスティックさながらの展開・描写はミステリとしてだけではなく、小説としてもとにかく面白い。
『本格ミステリベスト100』や『このミス』の十年間のベストワンに選ばれていることも実に納得させられる、大傑作。
“死者”がよみがえる世界でなされる、あまりにも無意味な“殺人”の真意とは?


99.2.28
評価:★★★★★ 10
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ミステリ感想-『玄い女神』篠田真由美

1999年02月16日 | ミステリ感想
~あらすじ~
旅先のインドで、不可解な「密室」死を遂げた橋場亜希人。
10年後、橋場の恋人だった狩野都は群馬山中に「恒河館」を建て、当時の旅行仲間たち、そして桜井京介を招く。
ミステリアスな「館」で展開される真相解明劇。そこへ、さらなる悲劇が……。


~感想~
トリックがとにかく解りやすい。「驚かせてあげます」とカバー見返しで強気に言ってこの有様じゃあ……。
前作は上回ったが、驚くところはひとつもなし。(ネタバレ→)抜け道があった はあんまりだろ。


99.2.16
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『未明の家』篠田真由美

1999年02月03日 | ミステリ感想
~あらすじ~
閉ざされたパティオを持つ別荘の主が死に、続いて一族を襲った不可解な連続殺人。
別荘の建築造形のなかに秘められた謎と真相を桜井京介が追う。


~感想~
建築探偵シリーズ。
派手さもトリックの妙もないが、丁寧にまとまっている。
出来すぎなくらいのエンディングは好みの別れるところか。当たり前だが、建築関係の描写が多く、煩雑。


99.2.3
評価:★★ 4
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ミステリ感想-『嗤う伊右衛門』京極夏彦

1999年02月02日 | ミステリ感想
~あらすじ~
小股潜りの又市は、足力按摩の宅悦に、民谷又左衛門の娘、岩の仲人口を頼まれる。
しかし疱瘡を患う岩の顔は崩れ、髪も抜け落ち、腰も曲がるほど醜くなっていた。
又市は旧知の浪人・境野伊右衛門を民谷家の婿に斡旋するが……。

泉鏡花文学賞
直木賞 候補
このミス 7位
文春 9位


~感想~
非ミステリの純文学作品。しかし、むちゃくちゃ面白かった。
内容を身もフタもなく表現すれば、幽霊も怪異も一切抜きで描いた「四谷怪談」。
本好きならぜひ読んでください。他に言うべき言葉はありません。


99.2.2
評価:★★★★★ 10
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