~あらすじ~
ニートや引きこもりの若者がある日突然、異形に変身する――。
平凡な主婦・田無美晴の一人息子も、その奇妙な病に侵された。
法的には死亡と見なされ、夫は無理解を貫くが、美晴は異形に息子として接しようと試みる。
2018年メフィスト賞
~感想~
まず断っておきたいのが本作はメフィスト賞を受賞したものの、広義のエンタメの方であり、ミステリ味はほとんどない。
せいぜい途中に挟まれる断章の意味が後から明かされるくらいで、ジャンル分けするならば、設定はホラーかSFなものの、やはり家族小説と呼ぶのが一番しっくりくるだろう。
メフィスト賞といえばここ数作は「N、N」、「コンビニ」、「異セカイ」と超やべえ受賞作ばかり輩出しているが、彼らと比べるのは申し訳ないほど筆は達者で、「異形性変異症候群」と名付けられた特殊設定とそれを取り巻く社会環境もなかなか細かくできており、舞台と物語自体がまず面白い。
ご都合主義というよりも王道と呼びたくなる展開に好みは分かれるかもしれないが、すいすい読めて理解もたやすく、何かしら考えさせられ、読み終えれば心に残ることは間違いない。
このところメフィスト賞はノベルスかタイガで刊行されてばかりだったが、純文学寄りということもあってか単行本で出しただけはある良作だった。
今回はメフィスト賞だからというだけで読んだので、もしミステリを書いてくれたらぜひ教えて欲しい。
余談だが本作の宣伝として田無美晴がInstagramをやっているそうだが絶対やるわけなくて笑った。
18.10.28
評価:★★★ 6
ニートや引きこもりの若者がある日突然、異形に変身する――。
平凡な主婦・田無美晴の一人息子も、その奇妙な病に侵された。
法的には死亡と見なされ、夫は無理解を貫くが、美晴は異形に息子として接しようと試みる。
2018年メフィスト賞
~感想~
まず断っておきたいのが本作はメフィスト賞を受賞したものの、広義のエンタメの方であり、ミステリ味はほとんどない。
せいぜい途中に挟まれる断章の意味が後から明かされるくらいで、ジャンル分けするならば、設定はホラーかSFなものの、やはり家族小説と呼ぶのが一番しっくりくるだろう。
メフィスト賞といえばここ数作は「N、N」、「コンビニ」、「異セカイ」と超やべえ受賞作ばかり輩出しているが、彼らと比べるのは申し訳ないほど筆は達者で、「異形性変異症候群」と名付けられた特殊設定とそれを取り巻く社会環境もなかなか細かくできており、舞台と物語自体がまず面白い。
ご都合主義というよりも王道と呼びたくなる展開に好みは分かれるかもしれないが、すいすい読めて理解もたやすく、何かしら考えさせられ、読み終えれば心に残ることは間違いない。
このところメフィスト賞はノベルスかタイガで刊行されてばかりだったが、純文学寄りということもあってか単行本で出しただけはある良作だった。
今回はメフィスト賞だからというだけで読んだので、もしミステリを書いてくれたらぜひ教えて欲しい。
余談だが本作の宣伝として田無美晴がInstagramをやっているそうだが絶対やるわけなくて笑った。
18.10.28
評価:★★★ 6