小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『放浪探偵と七つの殺人』歌野晶午

1999年08月31日 | ミステリ感想
~収録作品~
ドア↔ドア
幽霊病棟
烏勧請
有罪としての不在
水難の夜
W=mgh
阿闍梨天空死譚
※増補版には マルムシ を追加収録


~感想~
結末がすべて「袋とじ」にされた、奇抜な短編集。それだけに、考えれば解けるトリックばかり。
管理人実証済み(解けたのは『ドア↔ドア』と『病棟』だけなのは秘密だ)。ぜひぜひ一度挑戦を!


99.8.31
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『日本殺人事件』山口雅也

1999年08月30日 | ミステリ感想
~収録作品~
微笑と死と
侘の密室
不思議の国のアリンス

本格ミステリ・ベスト100 50位、日本推理作家協会賞、このミス15位


~感想~
日本推理作家協会賞受賞作。だが、「これで受賞作?」と首をかしげた。
“この世界でしか起こりえない犯罪をこの世界でしかありえない論理で解く”ことを評価されたのなら、本作よりも同氏の『マザーグース・ミステリ』や『生ける屍の死』、西澤保彦氏の諸作には全くおよばないのに。
雰囲気、ユーモアは良好で、読んで損はしないのだが、受賞作という肩書きがあまりに余分。


99.8.30
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『悪霊の館』二階堂黎人

1999年08月18日 | ミステリ感想
~あらすじ~
不気味な逆五芒星の中央に捧げられた、二重密室の首なし死体。
邸内を妖しくうごめく西洋甲胄姿の亡霊。
資産家一族の住む大邸宅で、黒魔術のミサを思わせる血みどろの惨劇が次々と起こる。
当主はなぜ警察の介入を拒むのか。
そして「呪われた遺言」に隠された真実を追う二階堂蘭子にも、殺人者の魔の手が迫り……。

このミス15位


~感想~
目を見張る点、膝を打つ点、驚かされる点、すべて1つもなし。
よく言えば王道、悪く言えばありきたり。例によって犯人は簡単に見抜け、要のメイントリックもあれでは消化不良。
なんにしろ長大すぎた。


99.8.18
評価:★☆ 3
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ミステリ感想-『麦酒の家の冒険』西澤保彦

1999年08月02日 | ミステリ感想
~あらすじ~
匠千暁たちが迷い込んだ無人の山荘。
家具も内装もないからっぽの室内にあったのは、一台のベッドと冷蔵庫。
そして冷えたビールのロング缶96本とジョッキ13個だけ。
誰がなんの目的で? ビールを飲みつづけ、推理に推理を重ねた先にたどり着いた真相とは。


~感想~
全編にわたってくり広げられる、純粋論理と純粋論理の応酬。
ともすればマンネリになりかけるところを、奇抜な推理と軽妙な会話で飽きさせない。
が、ここまで反論につぐ反論がつづくと、肝心の結末まで説得力を持ちえず、
これも間違ってるんじゃないかと疑いたくなる。
着地が決まらないのは宿命的か。


99.8.2
評価:★★☆ 5
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