小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『ら抜き言葉殺人事件』島田荘司

2004年07月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
自宅のベランダで首吊り自殺をした女。
彼女はある作家の「ら抜き言葉」を激しく責め立てていた。
現場には不審な点が目立ち、吉敷が疑念を抱く中、その作家の変死体が発見される。


~感想~
これは完全に島田的文化論。代弁か? と思うほどの作中の作家による訴えには圧倒される。身勝手だけど。
正直、結末の逆転がなければ退屈なだけだった。


04.7.27
評価:★☆ 3
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ミステリ感想-『灰の迷宮』島田荘司

2004年07月25日 | ミステリ感想
~あらすじ~
新宿駅西口でバスが放火され、逃げ出した乗客がタクシーにはねられ死亡した。
被害者は息子の大学受験の付き添いで鹿児島から上京中だった。
だが、被害者の行動には数々の不可解な点が。
そんな中、吉敷は2年前に担当した迷宮入り事件との関連に思い当たり鹿児島へ飛ぶ。


~感想~
次から次へと浮かんでいく謎。灰の街での出会い。あまりに大胆な真相。そして心にしみいる結末と、息もつかせぬ流れるような展開・物語。吉敷シリーズ屈指のえもいわれぬ感慨を抱かせる傑作。


04.7.25
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『サムソンの犯罪』鮎川哲也

2004年07月15日 | ミステリ感想
~収録作品~
中国屏風
割れた電球
菊香る
屍衣を着たドンホァン
走れ俊平
分身
サムソンの犯罪


~感想~
『中国屏風』
プロットの細かさが長編なみ。しかし謎の設定をいま一歩、明確にできなかったか。

『割れた電球』
逆転が冴える。さすが。

『菊香る』
(ネタバレ→)造花だった  はちょっと安易では。

『屍衣を着たドンホァン』
細かい細かい。隙のない構成。

『走れ俊平』
(ネタバレ→)服  に無頓着すぎはしまいか。

『分身』
この犯人はいったいどうやって言い逃れしようと思っていたのだろう。(ネタバレ→)ドッペルゲンガーだと言い張られても……

『サムソンの犯罪』
斬新な犯人の指摘は、逆に淡泊に終わった感も。末尾の2編に同じ匂いがただよう。


~総括~
いろいろいちゃもんをつけたが、重箱の隅をつつくようなもの。
お口直しに三番館。絶対安定、三番館。つまらないミステリを読んだら三番館で目を洗おう。


04.7.15
評価:★★★☆ 7
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