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ミステリ感想-『背が高くて東大出』天藤真

2002年01月30日 | ミステリ感想
~収録作品~
背が高くて東大出
父子像
背面の悪魔
女子高生事件
死の色は紅
日曜日は殺しの日
三枚の千円札
死神はコーナーに待つ
札吹雪
誰が為に鐘は鳴る


~感想~
『背が高くて東大出』
憑かれたような毒気に当惑。結末は思わず何度も見返すほど意外。

『父子像』
二重構造の巧みさは、ジュヴナイルにここまで手をかけるのかと感嘆。

『背面の悪魔』
結末の逆転はいいが、珍しく……。

『女子高生事件』
展開などさすがの冴えだが、いかんせん考えずとも割れる犯人に不満。

『死の色は紅』
まさかこれも伏線じゃないよなあ、と思っていたら! 伏線どころかなんと……いやはや笑うしかない。まあ、それだけの作品だが。

『日曜日は殺しの日』
長編ばりのプロットとは伊達じゃない。強引なきらいもあるが、入り組んだ細工に脱帽。清冽さこそないがやはり巧い。

『三枚の千円札』
まだこんな手法があったのか。少々あっけない真相よりもそちらが主眼。

『死神はコーナーに待つ』
これまた長編さながら。勘違い・すれ違いが山と重なっていくあたり、さすがさすが。

『札吹雪』
結局のところどこなの? と思うのは僕の読解力不足か。

『誰が為に鐘は鳴る』
おそらく史上最短の挑戦状付きミステリ。短いなりに。


02.1.30
評価:★★★☆ 7
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