小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『異人たちの館』折原一

2001年11月26日 | ミステリ感想
~あらすじ~
富士の樹海で失踪した息子の伝記を書いて欲しい。売れない作家島崎に舞いこんだゴーストライターの仕事。
女依頼人の広大な館で、資料の山と格闘するうちに島崎の周囲で不穏な出来事が起こり始める。

日本推理作家協会賞 候補、このミス9位、文春4位


~感想~
一撃必殺、とまではいかないが、細かに張られた伏線と、緻密な構成が叙述の罠を支えている。
そのトリック自体がいささか解りやすすぎるのが難も、非常によくできた佳作。


01.11.26
評価:★★★☆ 7
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ミステリ感想-『セーラ号の謎 漂流者』折原一

2001年11月23日 | ミステリ感想
~あらすじ~
ダイビング中、妻とその不倫相手に見殺しにされかかった推理作家・風間春樹は、無人島で意識をとりもどす。
脱出しようと泳いで八丈島に向かうが漂流してしまい、偶然にもセーラ号というヨットに辿り着く。
そこには恐るべき秘密が……。


~感想~
トリックは破壊力に欠け、大掛かりな逆転もないのが残念。
明確に謎を提示し、持って回りすぎの展開を洗練させれば、話自体は面白いだけに、化けただろうに。


01.11.23
評価:★☆ 3
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ミステリ感想-『遭難者』折原一

2001年11月13日 | ミステリ感想
~あらすじ~
北アルプスの白馬岳から唐松岳に縦走中、不帰ノ嶮という難所で滑落死した青年・笹村雪彦。
彼の山への情熱をたたえるため、誕生から死までを追悼集にまとめることになった。
企画を持ちかけられた母親は、息子の死因を探るうちに、本当に息子は事故死なのだろうか、と疑惑を抱き始める。
追悼集(本編)と別冊の二つで構成された意欲作。


~感想~
分冊2冊組。雪山で遭難死した青年への追悼集とその手記という、凝った趣向はたいへん面白いのだが……。
いかんせん内容に乏しすぎる。もうすこしでも裏切りを見せてくれれば……。


01.11.13
評価:★ 2
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ミステリ感想-『望湖荘の殺人』折原一

2001年11月11日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大型家電量販店の経営者・二宮大蔵に毒の塗られた剃刀と殺人予告の脅迫状が届いた。
大蔵は協力者を得て容疑者を五人にしぼり、信州の山荘パーティーに招待した。
目的は脅迫者の抹殺。大型台風が山荘を襲った夜、招待客が次々に死んでいく。


~感想~
読了直後にもかかわらず、あまりにも印象が薄い。
結末はそれなりに見所があるが、描写に肩の力が抜けすぎている。
もうすこし真価を出してほしい。


01.11.11
評価:☆ 1
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ミステリ感想-『蜃気楼の殺人』折原一

2001年11月08日 | ミステリ感想
~あらすじ~
銀婚式を迎えた野々村夫妻は、新婚旅行の想い出を辿るように、能登半島へと旅立った。
だが夫は殺され、妻は行方をくらます。
両親の足跡を追いかける娘の万里子は、25年前の二人が、もう一組の男女と接触していたことを知る。


~感想~
伝え聞く評判がとにかく高かったこの作品。
だが、読んでみるとウワサほどではなかった。
(ネタバレ→)25年前の出来事なんて明々白々だったと思うのだが。
細かいことだが、笠井氏が電話を知っていた件は矛盾しているような……。
期待しすぎたのかな?


01.11.8
評価:★★ 4
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