~あらすじ~
ジョン・ウー監督が、三国志の"赤壁の戦い"を全2部作で描く。
西暦208年。帝国を支配する曹操は、80万の大軍で劉備、孫権の征討に動く。劉備は撤退が遅れ、曹操軍に追いつかれてしまい全滅の危機に。
軍師の孔明は、劉備に孫権との同盟を進言、自ら孫権のもとへと向かう。しかし、孫権軍では降伏論が大勢を占めており、孔明は若き皇帝孫権の説得に苦心する。
孫権が兄と慕う司令官・周瑜と面会する孔明だったが…。
~感想~
三国志ファンから見れば、雰囲気たっぷりの関羽・張飛・趙雲が真・三国無双な暴れっぷりを見せてくれるだけで満足なのだが、三国志を知らない人が見て楽しめるのかどうか。
「チーム・バチスタの栄光」でも思ったが(日本の医療エンタメ映画を引き合いに出すのもどうかと思うが)どうして原作にないシーンに尺を割いてしまうのかわからない。独自の展開を入れるのは当然だが、それが冗長なものばかりで、明らかにテンポを落としているのだ。
また、業績が史実とかけ離れているからと言って甘寧を甘興というオリジナル武将にしたが、せっかく別人にしたわりに水賊上がりの豪傑という甘寧とまるっきり同じ設定で、オリジナル要素が皆無(しかも甘寧の字は興覇だ)なのもいただけない。
たぶん史実と異なり戦死するから名前を変えたのだろうが、創作なのだから別に赤壁で甘寧が死のうがかまわないと思うのだが。吉川栄治なんか張郃ほどの大物を間違って3回も殺してるんだし。
タイトルは大嘘で赤壁の戦い前に物語は終わるが、配役でもめたわりにハマリ役の金城孔明(白いハトにエサをやり、濡れたハトを白羽扇で乾かす!)や、壮大なスケールの映像など内容よりも雰囲気を楽しめばいいのではなかろうか。
評価:★★☆ 5