小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『探偵さえいなければ』東川篤哉

2017年11月28日 | ミステリ感想
~収録作品とあらすじ~
倉持和哉の二つのアリバイ
洋食屋を営む倉持はガールズバーへの業務転換を目論み、叔父でオーナーの安西の殺害を計画。
アリバイ工作のため探偵の鵜飼杜夫を呼び寄せるが、酒にだらしない鵜飼は泥酔してしまう。

ゆるキャラはなぜ殺される
烏賊川市で行われたゆるキャラグランプリ。
鵜飼と事務所オーナーの二宮朱美は旧知のゆるキャラの応援にかこつけ舞台裏を見学するが、そこで着ぐるみという密室に阻まれた殺人事件が発生する。

博士とロボットの不在証明
今さら二足歩行ロボットを完成させた秋葉原博士は、多額の借金を帳消しにするため、ロボットにそそのかされ貸主の殺害を画策。
ロボットを貸主に変装させアリバイ工作を試みるが……。

とある密室の始まりと終わり
老婦人に依頼され嫁の浮気調査をした鵜飼と戸村流平は、息子に多額の保険金が掛けられていることをつかむ。
急ぎ息子宅に向かうが時すでに遅く事件は起こり、しかも現場は密室だった。

被害者とよく似た男
北山雅人は腹違いの兄の殺害計画への共犯を、兄を恨む田代直美に持ちかけられる。
瓜二つの兄に変装し直美のアリバイを作るが、砂川警部らはすぐにそれを看破。しかし直美には秘策があった。

2015年日本推理作家協会賞・短編候補(ゆるキャラはなぜ殺される)


~感想~
長編ではユーモアミステリの皮をかぶった王道本格ミステリを放ってきた作者だが、短編ではユーモア要素を前面に押し出し、この形式でしかなしえないトリックやプロットを考案してきた。
冒頭の「倉持和哉の二つのアリバイ」は、トリックと呼ぶのもおこがましいゆるすぎるトリックが仕掛けられるが、それを倒叙形式で描き、プロットとトリックの双方に張られたユーモアミステリならではの伏線を回収することによって、奇抜なアイデアに昇華させることに成功。
続く日本推理作家協会賞の候補に挙げられた「ゆるキャラはなぜ殺される」はミステリ史上屈指かも知れない鮮やか過ぎる犯人退場が笑いを誘う。
「博士とロボットの不在証明」も倒叙形式でやはりごく単純なトリックながらその露見する顛末が面白い。あとお好み焼きは笑った。
「とある密室の始まりと終わり」と「被害者とよく似た男」はトリックが伏せられているもののやはり非常にわかりやすいが、それぞれどこかに工夫が凝らされている。

いずれも超初歩的なトリックやプロットを、見せ方一つ変えることでナシからアリに変換することに成功しており、大袈裟な言い方をすればミステリ創作にあたっての手法や、ミステリの裾野そのものを広げた作品集と言えるかもしれない。
「謎解きはディナーのあとで」のヒット以来、ひねくれ者としては距離を置いてきたが、こんな愉快な短編を書いてきてくれているのなら、見逃してきた他の烏賊川市シリーズの短編集も読まなくてはなるまい。


17.11.26
評価:★★★ 6
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今週のキン肉マン #226 糞尿の彼方!!

2017年11月27日 | 今週のキン肉マン
・酷いタイトルだ
・クソ力あってのアリダンゴだったのか
・クソ力無しでアリダンゴに持って行かれたタイルマンェ……
・本気で心配してるヘイルマンとかいう良い奴
・クッキンクッキンという謎の擬音ww
・歯車に侵食される能力がマジで意味わからん。これスタンド能力だろ
・絶対に流してはいけないもの=パンツかな?
・呪いのローラーだなこれ
・モブ超人のようにバラバラにされなかったのはクソ力の恩恵か
・惨殺には違いない
・でも便器に流されたギヤマスターは実質的に負けだよな
・ギヤマスターの洗練された上半身のデザインと適当すぎる下半身はいつまで経っても見慣れない
・ストロングマンと見せかけてからのフェニックスマン
・相変わらず眼鏡以外に知性を感じさせない知性の神
・サタンが古い友人とか極悪すぎるだろこの神
・ここでスーパーフェニックス復活か……!
・同人を逆輸入し運命の5王子参戦を本当にやってくれるとは
・この流れだと登場予告されてるソルジャーは残虐の神の方じゃないか!
・前作ラスボス復活回のタイトルが「糞尿の彼方」という
・知性の神は悪だが今さらフェニックスが敵側で参戦しても残念だし、パワーバランスが敵側に傾きすぎだからやはり味方参戦だろうな
・カレクックとウルフマンとかもうどうでもいい
・いやカレクックはちょっと見たいな
・マリポーサも出てくるなら絶対ヘイルマンと戦うし絶対アノアロの杖が出てくる
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8/9のNXT #405  デュースン・ドミノの紛い物

2017年11月25日 | 今週のNXT
・エリック・ヤングが復活

SAnitYの面々がリングに集まりタッグ王座戦の決まったオーサーズ・オブ・ペインを招く。
するとしばらく欠場していたヤングが突如現れるや不意打ちでレーザーを殴り倒し、リングサイドの鉄柵に縛り付け、残されたエイカムを集団リンチ。
レーザーは力ずくで鉄柵を外したものの、そんな重量物を引きずった状態では何もできず、エイカムもろともいたぶられてしまった。


ストリート・プロフィッツ(アンジェロ・ドーキンス&モンテス・フォード) ◯-× メトロ・ブラザーズ(クリス・メトロ&JC・メトロ)
(スパインバスター→フロッグスプラッシュ)

TVデビューから数えて苦節4年目(契約からは5年目)にしてドーキンスについにプッシュが始まる。おそらくNXT史上で最も長く掛かったはず。ケネス・クロフォード改めモンテス・フォードとのタッグで、どこからどう見てもデュースン・ドミノを思い出さずにはいられないメトロ・ブラザーズに完勝。
最後はドーキンスのスパインバスターからフォードのバネのあるフロッグスプラッシュにつなげJCを仕留めた。


・NXT王座戦を前に波乱

特番での対決を前にGMのウィリアム・リーガル卿の立ち会いのもと、王者ボビー・ルードと挑戦者ドリュー・マッキンタイアが対面。
しかしそこにロデリック・ストロングが現れ、先月のルード戦での裁定覆しにまたも不服を唱える。
執拗な抗議にリーガル卿も折れ、次回にストロングとマッキンタイアが対戦し、ストロングが勝てば王座戦を三つ巴戦に変更すると裁決した。


オニー・ローキャン ×-◯ ダニー・バーチ
(ロールアップ)

先日、再戦を約束したばかりの両雄が早くも顔合わせ。
序盤はろくに技を出さずガチなボディブローやネックロックで、中盤からはハードヒットする打撃や豪快な投げ技でしばき合う。
最後は前回の対戦で決着手となったハーフボストンクラブにローキャンが捕らえかけるが、激しく抵抗されたためボストンクラブに移行したものの、バーチが強引に反転させて押さえ込み、ついにNXT初勝利を挙げた。

試合後、握手を求められたローキャンはいったんは拒否したものの、固く握手を交わし健闘を称え合った。これ絶対タッグ結成して王者になる流れだって。


ノー・ウェイ・ホセ ×-◯ アンドラーデ・シエン・アルマス
(ハンマーロックDDT)

アルマスに帯同したティア・トリニダード改めゼリーナ・ベガは、おなじみの寝そべりポーズで挑発するアルマスを、その舐めた態度がいけないと叱責。
その後もあまり反省せず挑発を織り交ぜるアルマスをそのたびに叱りつけ、あっさりホセを片付けると、ゼリーナは実況席からマイクを取り、特番でみんなのお気に入りのジョニー・ガルガノをアルマスが倒してやると豪語した。
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8/2のNXT #404  カイル・オライリー電撃参戦

2017年11月24日 | 今週のNXT
ジョニー・ガルガノ ◯-× ラウル・メンドーサ
(ガルガノ・エスケープ)

ガルガノの久々の試合。転がりながらの延髄斬りやロープ中段をすり抜けてのスピアー等のおなじみの技で盛り上げる。
正式契約したらしいメンドーサもただではやられず、強烈な延髄斬りをお返しするとトップロープから450スプラッシュを試みるが、かわしたガルガノが手際は悪かったものの必殺技に捕らえて復帰戦を飾った。


・アスカとエンバー・ムーンが激突

特番での女子王座戦を前にアスカとエンバーが対峙。
アスカは握手と見せかけて平手打ちを浴びせるがエンバーはエルボーで応戦。いったんはアスカが蹴り倒したものの、こっそりトップロープに上がったエンバーが必殺のフライング・スタナーを喰らわせ、前哨戦を制した。


・ロデリック・ストロングが激昂

ボビー・ルードのインタビューにストロングが割り込む。GMのウィリアム・リーガル卿が注意すると、先月のNXT王座戦の裁定に文句を付けるが、リーガル卿は次の王座戦はあくまでルードとドリュー・マッキンタイアで争われると一蹴した。


ソーニャ・デビル ◯-× ジーナ・ヴァン・ベメル
(飛びつき腕ひしぎ十字固め)

豊満というかぽっちゃり体型というか、とにかくガタイの良いジーナを相手に、ソーニャは腕を後ろに組んで殴ってこいと余裕を見せる。
ジーナにほとんど見せ場はなく、コーナーで圧殺された次の瞬間に腕ひしぎに捕らえたソーニャが快勝した。


・ヒデオ・イタミにアリスター・ブラックが絡む

着々とヒールターンしているヒデオが日本語混じりで演説していると、カシアス・オーノではなくブラックが登場。
ヒデオは衝突を避けリングを下りると見せて奇襲を掛けたが、物の見事に後ろ回し蹴りで迎撃された。


アリスター・ブラック ◯-× カイル・オライリー
(後ろ回し蹴り)

ヒデオを文字通りに一蹴したブラックがそのままリングに居座り試合を待っていると、先日のボビー・フィッシュに続きオライリーがサプライズ参戦。
キャリア12年の元ROH王者で、新日でもジュニア戦線で活躍したオライリーは、得意としている足技ではブラックに遅れを取るも、火の玉ボム気味に落とすと脚・腕・胴を順繰りに攻め、全身を痛めつける。
長尺の熱戦となったが、オライリーはアックスキック(脳天かかと落とし)を何度も試みたせいで次第に見切られ、3発目を必殺の後ろ回し蹴りに切り返したブラックが辛勝した。
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SCP-1171~1180

2017年11月23日 | SCP紹介
SCP-1171 - Humans Go Home (人間どもは去れ)
ある家屋の窓の結露に字を書きコミュニケーションを取る不可視の人外。人間を蔑視している

SCP-1172 - Double Word Scare (ダブルワード・ス怖)
スクラブル(アルファベットが書かれたタイルを並べて単語を作るゲーム)とそれを入れる袋。取り出し並べると96%の確率で単語が出来る。2枚だけある目の描かれたタイルを取り出した場合、単語は死の暗示となる。タイルを袋から54cm以上遠ざけると悲鳴のような声とともに周囲に2mmの穴が穿たれる

SCP-1173 - The Islamic Republic of Eastern Samothrace (サモトラケ東部イスラム共和国)
サモトラケ東部イスラム共和国(IDAS)に関する記憶を失う現象。全世界的に忘却されており、経済的にも孤立しIDASは困窮している。影響下に無い人物の「あなたはサモトラケ島で起きている事を知っていますか?」という言葉を聞くと記憶を取り戻す

SCP-1173 - Islamic Republic of Eastern Samothrace (サモトラケ東部イスラム連合)
存在しない国家サモトラケ東部イスラム連合(IDAS)を実在すると思い込む現象。影響下にある人物の「あなたはサモトラケ島で起きている事を知っていますか?」という言葉を聞くと感染し、重度化すると精神分裂症をきたし自身をIDASの退役兵と信じ込み、アメリカへの反感を抱く

※SCP-1173の記事にアクセスするとランダムに(?)どちらかの記事が開く。財団世界にIDASが実在しているのか否かは不明

SCP-1174 - The Wreck of the Edmund Fitzgerald (沈没船エドモンド・フィッツジェラルド号)
スペリオル湖に10~11月の強風の日に現れる船の幻影。過去の10~11月にスペリオル湖で沈没した船が救助を求める。75m以内に近づいた船は沈没し、船員は湖底に取り込まれる。船員は溺死しているにも関わらず意識と生命活動を保ち、加齢もするが病気や外傷を受けない限り死亡しない。ただし陸に揚げると死亡する

SCP-1175 - Bovine Icon and Guards (聖牛像と番兵)
ある広場に設置された牛の頭部をかたどった巨大な像と、ヤギの衛兵の像。火曜の日没中に35%の確率で活性化し、牛の像に触れたり、園内の彫刻を撤去しようとした者を襲う。像の製作者には従順で、彼が友人と紹介した人物には攻撃しない。製作者を広場の経営者として財団に協力させている

SCP-1176 - Mellified Man (ミイラのはちみつ漬け)
石棺に収められ、体液が蜂蜜に置き換えられた男性のミイラ。体組織は劣化しているが、脳組織は健在でレム睡眠下にある。毛穴から蜂蜜を排出し続けており、血液型AB+の人物は抜群の栄養価を持つ食品として接種出来るが、その他の血液型の人物は摂取すると重篤なアレルギー症状により死に至る

SCP-1177 - The Coupon Cutter (身銭を切りし者)
老齢の白人女性。切り離した身体の一部と引き換えに商品やサービスを受けられる。部位や大きさによって価値は変わり、渡された相手はそれを肉片と認識するが貴重品や金銭のように扱う

SCP-1178 - Floating ICBM (宙ぶらりんのICBM)
数十年前にソ連が発射したICBM(大陸間弾道ミサイル)。ミサイル基地から1.34km上空で停止している。200km圏内に車両か哺乳類が侵入するか、現在が1983年以前で世界規模の核戦争中であることを報じる偽の放送が途絶えると、活動を再開する。速度が一定に達すると旧ソ連国の早期核攻撃検知システムを誤作動させるため、核戦争を引き起こし世界終焉をもたらす危険がある

SCP-1179 - Centralian Fire Demon (セントラリアの火の悪魔)
北欧神話のスルトに似た巨人の像。炭鉱で発見され炎によって目覚め、有毒ガスや数百年にわたって燃え続ける炎を放つ。現在は自在に姿を変え、不可視化したり飛行したりもする

SCP-1180 - A Lovely Bunch of Coconuts (愛らしいココナッツの房)
ココヤシに似た樹。果実の中から打音が響き、剥いたり切ったりすることに激しい苦痛を感じる
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ミステリ感想-『スノウ・エンジェル』河合莞爾

2017年11月22日 | ミステリ感想
~あらすじ~
9年前、想いを寄せていた同僚の女性刑事を殺され、5人の暴力団員を射殺し逃亡した神西明。
元上司に紹介された麻薬取締官の水月笙子は、新型麻薬スノウ・エンジェル撲滅の切り札として、過去を捨てた神西をおとり捜査に送り出す。


~感想~
「デビル・イン・ヘブン」の前日譚。近未来B級アクションだった前作から一転し、現代を舞台にしたこともあり地に足の着いたハードボイルドとなった。
話の筋は極めて単純で、また面白いほど順調に捜査が進むためリーダビリティは抜群。
ミステリらしいどんでん返しもあるものの、そういったトリックやサプライズも必要としないほどハードボイルドとしての質が高く、男性諸氏の厨二心を刺激してやまない要素目白押しな神西のカッコイイ活躍を堪能できる。
前作では作者自身の怨念すら感じさせるギャンブルへの憎悪が渦巻き「認知症ケアとしてパチンコが用いられている」というある種のほのぼのニュースまで「政府による国民殺人計画の一環」と一刀両断し、主にパチンコファンをドン引きさせてしまったが、本作で描かれた現代日本にはびこる麻薬とそのケタ外れの取引額は紛れもない事実であり、絵空事ではない恐ろしさがひしひしと迫るのも吉。

前作を読んでいなくとも、というかある事情から前作を読んでいない方がむしろ本作を楽しめ、読了後に前作を紐解けば連関する要素がいくつもあり、より双方を楽しめるだろう、地味めながらも良質の作品である。


17.11.21
評価:★★★ 6
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SCP-1161~1170

2017年11月20日 | SCP紹介
SCP-1161 - How-To Book (ハウツー本)
24時間ごとに外見・内容が変化するハウツー本。変化後に最初に触れた人物にのみ読める。内容は実用的なものから「スパゲッティとミートボールを食べる方法」や「机を開ける方法」といった無益なものも多く、また(無駄に)極めて詳細なためしばしば混乱をきたす

SCP-1162 - A Hole in the Wall (壁の穴)
ある財団サイトの壁に空いた穴。手を突っ込むと過去に無くした物や探していた物が出て来るが、代わりに所持品を何か失う。穴は168時間使用しないと2000km圏内の別の壁に移動する。全裸で実験したところ内臓を失った

SCP-1163 - Face Swapper
未翻訳

SCP-1164 - Echoing Epitaph (エコーする墓碑銘)
舗装用のコンクリート板。人間またはその衣服が触れると吸着し、毎分10cmずつ中に引きずり込む。その間4つの顔が表面に現れ、引きずり込まれている人物の声や物音をそれぞれリード、テナー、バス、バリトンの四重奏で模倣する。完全に中に入ると男性なら新たなバリトンとして現れ、女性なら4つの顔が時計回りに入れ替わる

SCP-1165 - Minus Level (異常な市街地)
ある路地からつながった市街地。東から西へ向かって通行すると36%の確率で内部に入れる。20世紀のアメリカ風建築の街並みが延々と続くが、植物以外の生物は全く存在しない

SCP-1166 - Perfect Lab Specimen (完璧な被験体)
実験用ラット。ヒト細胞が多く含まれ、体重65kgの成人男性への実験と等しい結果が得られる。死亡や四肢切断からも回復し、PCを用い会話も出来る。財団は倫理的な観点から、実験に際しては苦痛を最小限に抑えるよう裁決を下した

SCP-1167 - Disembodied Robot Head (体をなくしたロボット)
頭部と首だけのロボット。様々な言語で増援要請を求めながらチリの某所を目指して移動する。到着すると周辺をスキャンし、増援を待って停止する。発掘により他のパーツがいくつか見つかった

SCP-1168 - A Highly Immature and Completely Unofficial Parody(極めて未熟かつ完全に非公式なパロディ)
テーセウスの像に酷似した銅像。右手に170m以上の糸を置くと活性化し、影響範囲内(糸の長さと同じ半径)に入った性犯罪リストに載っている人物と、15~18歳で高校3年生の金髪の白人男性に、アニメ「スクービー・ドゥー」のMAD動画の真似をさせる

SCP-1169 - Lamarck's Giraffe (ラマルクのキリン)
キリンの胎児のホルマリン漬け。常に蒸発し続けており、吸引・接触した人物の子孫は遺伝的には異常ないが肉体的に親と同一になり、さらに親が成長段階で受けた肉体的変化(病気、負傷や刺青等)を完全に模倣(親が6歳時に腕を骨折していれば子も6歳時に外傷も無く骨折する)する。また運動的スキルを受け継ぐ

SCP-1170 - Romantic Ghost (ロマンチックな幽霊)
ブリティッシュコロンビア州のあるアパートの寝室。内部では照明が使えないが、人間がいると肉眼でしか確認出来ないベッドランプが点灯し人型の何者かが現れる。何者かはロマンチックな会話を語りかけ、人間とともに消失し、その人間の血痕等が部屋に現れる
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SCP-1151~1160

2017年11月18日 | SCP紹介
SCP-1151 - A Handy Marker (ハンディ・マーカー)
黒のマーカーペン。掌にスマイルマークを書き1週間消さずにいると、その人物はマークを書かれた手を高く上げ続ける。さらに数日が経つとマークを自身の頭部と信じ始め、やがて実際の頭部を腫瘍や癌と思い込み自ら切除や破壊を試みる

SCP-1152 - A Common Raccoon (アライグマ)
ある失踪したエージェントに酷似した遺伝情報と、同等の知能を持つアライグマ。通常のアライグマには不可能なはずの器用さでたびたび脱走を試みる ※記事では一貫してアライグマと書かれるが画像は人間。関係者にアライグマと信じ込ませるミーム汚染と思われる

SCP-1153 - Programmable Patients (プログラム可能患者)
5台のノートパソコンに接続された12体の人間。人間は高次脳機能が無く意識不明だが、栄養も排泄も必要としない。PCから指令を出し病気や怪我を発症させ、死亡しても「消去」を選ぶと即座に回復する

SCP-1154 - Conceptual Dragon (概念上のドラゴン)
詩や小説や映画、絵や夢日記等に描かれたドラゴンに似た生物。それらを視聴した者は2週間以上にわたり爬虫類にまつわる夢を見たり、何者かにつきまとわれる気配を感じ、一部は自然発火して死亡する

SCP-1155 - Predatory Street Art (人喰いストリートアート)
怪物を描いた落書き。視認すると近づきたくなり、2m以内に接近しかつ他の誰にも見られていないと捕食する。落書きを攻撃したり、一部でも隠したりするとどこかへ転移する。放置しても2~4ヶ月で転移するため収容は困難

SCP-1156 - Wellington the Wonder Horse (驚異の馬・ウエリントン)
「ウエリントン・G・ワンダーホース」を名乗るしゃべる馬。知性は高く口を使い筆記や簡単な機械操作も行い、自分用の衣服を出現させる能力を持つ。馬車馬として働くことを望み財団に雇用されている

SCP-1157 - Bifurcating Man (分岐男)
約4週間の周期で睡眠中に分裂する男性。数百人が存在し、財団に協力的な個体と敵対的な個体に分かれ、抗争が繰り広げられている

SCP-1158 - Arboreal Jellyfish Puppeteers (樹上性傀儡師クラゲ)
熱帯雨林に棲息するクラゲに良く似た生物。樹上から枝や蔓に擬態した触手を垂らし、大型哺乳類やトカゲを捕食する。なぜかイノシシ属には神経毒が効かず、餌として与えた豚に逆に捕食されてしまった

SCP-1159 - The Wind Harp (風鳴琴)
風鳴琴(風で音を奏でるハープ)。決して文章で説明や記録することが出来ず、筆記具や機器を故障させる。音声機器や口頭では問題無く記録出来る。ある博士はハープが自身を音によってのみ認識されようと強制していると推測する ※本家の記事には音声ファイルだけが置かれており、日本語版では非公式の訳が書かれている

SCP-1160 - Effective Containment (実効的収容)
ある島に棲息する怪鳥。360度の視野と驚異的な回復力や膂力を備え収容困難。さらにこの鳥を認識する人の数に比例して回復力が減少し、能力を知る人の数に反比例してサイズと筋力が増加する。財団はその性質を利用し、シリアルのマスコットキャラとして鳥を採用し、パッケージを見た人物に鳥の能力と外見を刷り込ませるミームを仕込んだ。シリアルの普及により鳥の能力は著しく減退している
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SCP-1141~1150

2017年11月16日 | SCP紹介
SCP-1141 - Entrepreneurial Spirit (起業家精神)
アメリカのある動物園に不定期に現れる売店。店員ごと現れ異常な性質を持つ食品を売る。営業不能にされるか食品で怪我人が出たのを店員が視認すると25分以内に消失するが、食品は残される

SCP-1142 - A Cry for Help (助けを求める悲鳴)
第二次大戦中にドイツが開発した有線地雷。既に死亡が確認されている親衛隊少将を名乗る人物の、助けを求める通信が不定期に入る。その内容から世界崩壊の危機に瀕した異世界からの通信と考えられる

SCP-1143 - Suricate Altar (ミーアキャットの祭壇)
アフリカ南部のカラハリ盆地で発見された砂岩の塊。直視したミーアキャットのうち75%は怯えて自殺を試み、20%は岩を守るために戦い、5%は岩を祭壇のように祀る

SCP-1144 - Orion Scales (オリオンの天秤)
オリオン社製の電子天秤。秤に乗せた物の重量では無い何かを計る。何を計っているかの研究は進んでいない

SCP-1145 - Nagasaki Teddy (ナガサキ・テディ)
長崎で発見された熊のぬいぐるみ。ツキノワグマのなめし革で造られており、強烈な放射線を放つ。3秒以上照明を当てられないと、近くの人間へ物体をすり抜けて接近し、さらに強い放射線を放つ

SCP-1146 - Psycho Printer
未翻訳

SCP-1147 - Adaptive Plum Tree (適応性プラム)
どんな物質からも発芽出来るプラム。物質の性質を取り込むため多くは食用には適さない

SCP-1148 - Imperfect Image
未翻訳

SCP-1149 - Erratic Weather Vane
未翻訳

SCP-1150 - The Passengers
未翻訳
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ミステリ感想-『Mの女』浦賀和宏

2017年11月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
作家の西野冴子は、高校時代の友人が紹介した彼氏のタケルに不信の念を抱く。
ファンが投書で知らせてきた隣人の自殺や、従弟の妻の流産の陰にちらつくタケルの姿。
そして彼らに冴子への接触を呼びかけた白石唯という女と、冤罪事件を執拗に追う女性作家。
一家惨殺事件や一家焼死事件にもタケルは関わっているのか?


~感想~
これは評価に困った。と言うのも本作は作中でいちおうの決着はついているものの、この一作だけで全てが語れる物語ではないのだ。
なぜなら本作は電子書籍限定で配信されている「メタモルフォーゼの女」という短編シリーズと密接な関係があり、そのシリーズでは本作に顔を出す人々が主役として描かれている。
しかも現在3作出ているそのシリーズの副題がそれぞれ「生まれなかった子供たち」、「月の裏文明委員会」と、浦賀ファンならピンと来るはずだが、松浦純菜シリーズの「生まれ来る子供たちのために」やノンシリーズの「地球平面委員会」とまでリンクしている気配で、さらに「Mの女」にはすでに4冊のシリーズが出ている桑原銀次郎まで登場しており、ひょっとすると「メタモルフォーゼの女」は浦賀作品の総決算的な立ち位置かも知れないのである。
3作目の「月の裏文明委員会」は先月に配信されたばかりだし、今後もシリーズが続く可能性は高く、いずれはまとめて書籍化もするだろう。全てが出揃うまでとてもじゃないが評価を下せはしない。

それでもいちおう内容に言及すると、身も蓋もないことを言えば「浦賀版白夜行」で、あちらがサイコパス無双ならこちらはサイコパスBASARAといった具合で、ちょっと笑ってしまうほどあからさまに白夜行をパク…意識したような設定も散見される。
物語はこのまま終わったら浦賀がこんな超普通の作品をわざわざ書いた理由はなんなんだろう、と思ったところからいくつか捻りを加えるも、消化不良のまま幕を閉じてしまい、もやもや感が後に残った。
このもやもやを吹き飛ばすような「浦賀版幻夜」あるいは「サイコパスBASARAヒーローズ」の刊行が待たれる。


17.11.15
評価:★★☆ 5
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