~あらすじ~
警視庁捜査一課の和戸宋志は、周囲半径20メートルの人々の推理力を底上げする特殊能力「ワトソン力」を持つ。
和戸の周囲で起こる事件を、居合わせた面々がワトソン力による推理合戦で解いていく。
~感想~
大山誠一郎にとってワトソン力は一つの発明である。
もともと典型的なパズラーを得意としていた作者が、舞台と登場人物と事件だけ数ページで説明したら後は延々と推理パートを描けるおかげで筆はイキイキと乗り、誰が最終的な探偵役になるかわからない目まぐるしい推理合戦も実に楽しい。
どれもこれも期待通りに粒揃いなので個々の短編について詳しく言及しないが、個人的に最も好みだったのは冒頭の「屍人たちへの挽歌」で犯人特定の流れが実に美しかった。
また書き下ろしのラスト一編はボーナストラック的内容で、無理くり連作短編集としてつなぎ合わせる荒業かつ、それまでの各編と異なり無から次々と伏線を取り出しては無為の推理を繰り広げ笑わせておいて、油断したところに重たい一撃を叩き込んでくる見事なものだった。
24.5.28
評価:★★★★ 8
警視庁捜査一課の和戸宋志は、周囲半径20メートルの人々の推理力を底上げする特殊能力「ワトソン力」を持つ。
和戸の周囲で起こる事件を、居合わせた面々がワトソン力による推理合戦で解いていく。
~感想~
大山誠一郎にとってワトソン力は一つの発明である。
もともと典型的なパズラーを得意としていた作者が、舞台と登場人物と事件だけ数ページで説明したら後は延々と推理パートを描けるおかげで筆はイキイキと乗り、誰が最終的な探偵役になるかわからない目まぐるしい推理合戦も実に楽しい。
どれもこれも期待通りに粒揃いなので個々の短編について詳しく言及しないが、個人的に最も好みだったのは冒頭の「屍人たちへの挽歌」で犯人特定の流れが実に美しかった。
また書き下ろしのラスト一編はボーナストラック的内容で、無理くり連作短編集としてつなぎ合わせる荒業かつ、それまでの各編と異なり無から次々と伏線を取り出しては無為の推理を繰り広げ笑わせておいて、油断したところに重たい一撃を叩き込んでくる見事なものだった。
24.5.28
評価:★★★★ 8