~あらすじ~
不定愁訴外来担当の田口と、厚生労働省の変人官僚・白鳥が乗り込んだ「医療事故調査委員会」。
官僚、医師、法医学者、弁護士、被害者の会など、さまざまな思惑がからむ会議。そこに医療界に革命を起こそうと暗躍する男の登場で、議論は一気に加熱する。
~感想~
これは酷い。
デビュー作の頃から「AI導入のために筆を執った」と公言している作者だが、それでも作品はエンタメ性にあふれ、読者を楽しませることは心がけていたのだが、ここにいたってそんな気持ちはどこかへ消えてなくなったようだ。
上巻はまだおなじみのメンツが厨二病気味の思わせぶりな会話を交わし、それなりに読みどころはあった。
だが下巻では、話こそ具体的に進められるものの、作者の代弁者が登場し、おそらくは作者の主張・理想論を思いのままにぶちまけ、しかも圧倒的に論破してみせるだけの「俺つえー」な無双状態、ただし話の内容は一般的な読者にはさっぱり理解できず、終始空回りしっぱなしという惨状。
白鳥も田口も置き去りなのはもちろん、期待のニューカマーだったはずのある人物は姿すら見せない噛ませ扱い、代弁者は自らをイノセント・ゲリラ(笑)と称し、最後には「理想論だとわかっているさ」とシニカルに微笑む自己陶酔ぶりで、読者も地平の彼方に置いてけぼり。
僕の個人的な職業柄、医療・福祉の現場の崖っぷちに追い込まれた危うさは、それなりに知っているつもりだ。
だが思いのたけをぶちまけたければ、他の舞台でやって欲しかったと、一ファンとしては思う。
一言で言えば、論文かブログか医学情報誌でやっとれという内容で、これをシリーズ第四弾として提出した作者は、多くのファンを失ったことであろう。
11.6.27
評価:問題外
不定愁訴外来担当の田口と、厚生労働省の変人官僚・白鳥が乗り込んだ「医療事故調査委員会」。
官僚、医師、法医学者、弁護士、被害者の会など、さまざまな思惑がからむ会議。そこに医療界に革命を起こそうと暗躍する男の登場で、議論は一気に加熱する。
~感想~
これは酷い。
デビュー作の頃から「AI導入のために筆を執った」と公言している作者だが、それでも作品はエンタメ性にあふれ、読者を楽しませることは心がけていたのだが、ここにいたってそんな気持ちはどこかへ消えてなくなったようだ。
上巻はまだおなじみのメンツが厨二病気味の思わせぶりな会話を交わし、それなりに読みどころはあった。
だが下巻では、話こそ具体的に進められるものの、作者の代弁者が登場し、おそらくは作者の主張・理想論を思いのままにぶちまけ、しかも圧倒的に論破してみせるだけの「俺つえー」な無双状態、ただし話の内容は一般的な読者にはさっぱり理解できず、終始空回りしっぱなしという惨状。
白鳥も田口も置き去りなのはもちろん、期待のニューカマーだったはずのある人物は姿すら見せない噛ませ扱い、代弁者は自らをイノセント・ゲリラ(笑)と称し、最後には「理想論だとわかっているさ」とシニカルに微笑む自己陶酔ぶりで、読者も地平の彼方に置いてけぼり。
僕の個人的な職業柄、医療・福祉の現場の崖っぷちに追い込まれた危うさは、それなりに知っているつもりだ。
だが思いのたけをぶちまけたければ、他の舞台でやって欲しかったと、一ファンとしては思う。
一言で言えば、論文かブログか医学情報誌でやっとれという内容で、これをシリーズ第四弾として提出した作者は、多くのファンを失ったことであろう。
11.6.27
評価:問題外