~収録作品~
夕刊フジで連載された懸賞付き犯人当てミステリアンソロジー。
巻末にはおまけで懸賞付きの覆面インタビューが。
ガラスの檻の殺人(有栖川有栖)
蝶番の問題(貫井徳郎)
二つの凶器(麻耶雄嵩)
十五分間の出来事(霧舎巧)
漂流者(我孫子武丸)
ヒュドラ第十の首(法月綸太郎)
~感想~
問題編と解答編が別々にされており、連載当時と同じように推理を楽しむこともできる。
が、同様の趣向を凝らした歌野晶午『放浪探偵と七つの謎』よりも難易度ははるかに上。
というのも、作者が全て異なるため、推理のポイントもトリックの種類も違い、6人がそれぞれ力を尽くしただけに質も高い。
当然のことばかり言ってもしかたないので、各編ごとに簡単な紹介をしよう。
『ガラスの檻の殺人』有栖川有栖
軽妙にしようとした描写が滑る滑る。トリック自体も同人ミステリの域を出ない。
『蝶番の問題』貫井徳郎
1つはあると思っていたあのトリック。正解率が最も低かっただけはある難問。これを見抜くのは容易ではない。
『二つの凶器』麻耶雄嵩
麻耶氏らしい、緻密でありながらトリッキイさも併せ持つ細工。
『十五分間の出来事』霧舎巧
これもトリック自体は大したことがない。というか、もっと魅力的な不可能状況にできたような。
『漂流者』我孫子武丸
どう考えてもアンフェアな伏線はあるが、奇抜なトリック。あいかわらずラストはぐだぐだ。
『ヒュドラ第十の首』法月綸太郎
犯人当てという形式を逆手に取ったようなトリック。ちょっと専門知識(たいして難解な知識ではないが)を並べすぎたのが残念。
良くも悪くも各氏が自分らしい作品をものしたと思う。傑作こそないが懸賞をかけただけはあるフェアな構成で、安心して楽しめる。
06.5.31
評価:★★★ 6
夕刊フジで連載された懸賞付き犯人当てミステリアンソロジー。
巻末にはおまけで懸賞付きの覆面インタビューが。
ガラスの檻の殺人(有栖川有栖)
蝶番の問題(貫井徳郎)
二つの凶器(麻耶雄嵩)
十五分間の出来事(霧舎巧)
漂流者(我孫子武丸)
ヒュドラ第十の首(法月綸太郎)
~感想~
問題編と解答編が別々にされており、連載当時と同じように推理を楽しむこともできる。
が、同様の趣向を凝らした歌野晶午『放浪探偵と七つの謎』よりも難易度ははるかに上。
というのも、作者が全て異なるため、推理のポイントもトリックの種類も違い、6人がそれぞれ力を尽くしただけに質も高い。
当然のことばかり言ってもしかたないので、各編ごとに簡単な紹介をしよう。
『ガラスの檻の殺人』有栖川有栖
軽妙にしようとした描写が滑る滑る。トリック自体も同人ミステリの域を出ない。
『蝶番の問題』貫井徳郎
1つはあると思っていたあのトリック。正解率が最も低かっただけはある難問。これを見抜くのは容易ではない。
『二つの凶器』麻耶雄嵩
麻耶氏らしい、緻密でありながらトリッキイさも併せ持つ細工。
『十五分間の出来事』霧舎巧
これもトリック自体は大したことがない。というか、もっと魅力的な不可能状況にできたような。
『漂流者』我孫子武丸
どう考えてもアンフェアな伏線はあるが、奇抜なトリック。あいかわらずラストはぐだぐだ。
『ヒュドラ第十の首』法月綸太郎
犯人当てという形式を逆手に取ったようなトリック。ちょっと専門知識(たいして難解な知識ではないが)を並べすぎたのが残念。
良くも悪くも各氏が自分らしい作品をものしたと思う。傑作こそないが懸賞をかけただけはあるフェアな構成で、安心して楽しめる。
06.5.31
評価:★★★ 6