この前SCPからお題を作っているという異常な話をしたのでもう怖いものはない。
僕は70点くらいのお題なら1分に1~2つペースで無限に作ることができる。実際に1時間で100のお題を作る企画に挑戦したが、2人で交互に作り合うリレー方式のため100問ギリギリだったが、単独でやっていれば余裕で120~130は行けたと思う。
70点のお題を延々と作り続け、たまに来る80点をストックするのがコガトナ前の恒例行事である。
そこでこんなお題は駄目だという訓示を偉そうに垂れていくとともに、70点のお題を作る方法を教えようと思う。暫定ギネス保持者なので。
なお僕自身は生大喜利には未参加で、全く傾向が異なるため、あくまでネット大喜利のこととして聞いてもらいたいが、参考になる部分も少しはあるだろう。
まず言いたいのは、どんなお題からでも傑作は生まれるが、駄目なお題から傑作は生まれづらいし、平均点も低くなるということだ。
駄目なお題から出される回答は面白くなりづらい。当然だ。
タイマンや少人数で答え、回答数が少ないなら目立たないが、大勢で一つのお題に回答する大会で駄目なお題が使われると、傑作は少なく、平均点の低い、言ってしまえば面白くない回答がたくさん並ぶ惨状になる。
さらに大前提が一つある。
1.「大喜利は回答だけではなくお題も普通のことを書いてはいけない」ということだ。
たとえばこんなお題は成立しない。
例:カレーにこれを入れると美味しい
きっと「ソース」「チョコレート」「ビール」といった回答が並ぶだろう。正解だが面白くない。
「ジャム」「たくあん」「セミの抜け殻」は大喜利の回答だが面白くはない。ちなみにジャイアンシチューのレシピだ。
例:こんな選手がベイスターズに欲しい
「イニングを食える先発」「毎年安定した成績を残すセンターライン(※特に捕手)」「状況に応じて早打ちをやめたり進塁打の打てる1~2番」「盗塁ができる先頭打者タイプ」「ロングリリーフも谷間の先発もできるタフなベテラン」が正解だが面白くはない。
「石井琢・波留・鈴木尚・ローズ」は大喜利の回答だが面白くはないし内川コピペだ。
普通ではないお題を作る。これができていないと「新聞を読んでいるおばあさんが一言」などの恐ろしいお題が誕生する。それはお題じゃない。日常だ。
新聞・おばあさんで2つのフックがあると思ったら大間違いである。(※以下フックという言葉を使いまくります。僕が現役の頃には「要素」なんて言葉はなかった)
新聞もおばあさんも日常から何も逸脱していない。あなたの祖母に新聞を読みながら面白い一言を言う確率が1%以上ありますか? そこから笑いが生まれる可能性は著しく低い。
2.シンプルすぎるお題は答えづらい
駄目な例:不死鳥が一言
これだけではフックがなさすぎて答えづらい。
70点のお題を作るには2つ以上のフックを付ければいい。いわゆる2要素お題だ。
不死鳥には「死なない」というわかりやすい特徴があるので、そこから付け加えていけばいい。
→死んだことがある不死鳥が仲間に自慢して一言
→不死鳥が生涯で唯一「これは死んでしまうかも」と思った出来事
→「自分は死なない」と初めて気づいた不死鳥が一言
不死鳥そのものを別のお題に当てはめるのもいい。
→転校生のタカシ君のあだ名が「不死鳥」になった理由
→笑点の新メンバー不死鳥亭フェニックス師匠の大喜利はこんなだ
3.物が答えになるお題は面白くなりづらい
駄目な例:福引の一等でこんな物が当たったら嫌だ
物はあくまで物でありその物自体が面白くはない。よって物が答えになるお題が面白くなることはそうそうない。
面白くしようとした結果、単なる面白い単語勝負になることも多々ある。
それを避けるためにはたとえば前提に一工夫する。
→地獄商店街の福引の一等でもらえる物
→福引の一等よりすごいビッグバン等に当たるとこんな物がもらえる
→福引の一等が当たった人へさらに町内会長から与えられる物
物でなくても単語を答えさせるお題は面白くなりづらい。単語はあくまで(ry
単なる面白ワードやダジャレ勝負になる危険性もある。
駄目な例:史上初のアカデミー賞全てを獲得した映画のタイトル
これも前提を変えれば対処できる。
→新設されたエロデミー賞を獲得した映画のタイトル
→「スターウォーズ」はそのまんま過ぎるのでもっと良いタイトルに変えてください
→ハリー・ポッターとあの有名人がコラボした新作タイトル「ハリー・ポッターと○○○」
4.面白くないものが答えになるお題は面白くなりづらい
駄目な例:視聴率1%だったバラエティ番組の内容
これは面白くないものを答えるのだから当然面白くなりづらい。自明の理である。
対処は簡単で、面白くないものを答えさせないようにすればいい。
→視聴率1%だったバラエティ番組で一瞬だけ10%を記録したシーン
→どうして今週の大河ドラマ「どうする家康」は視聴率1%だったんですか?
→生放送中に視聴率1%だと知ったバラエティ番組のMCが一言
5.画像で一言には特にフックが2つ以上必要
いつからか画像で一言にはフリー画像を使わなければいけない暗黙の了解ができたようだが(※どこかのサイトで広告の関係上フリー画像しか使えなかったらしい)フリー画像には回答する上でのフックが1つしかない物が多々見られる。僕がよく「特に何もしていない人の画像で一言」と揶揄するものだ。
駄目な例:
「女が」「歌っている」でフックが2つあると思うかもしれない。大間違いだ。
これは「歌っている女」でフックは1つだ。
たとえば容易に図書館と特定できる背景が写っていれば「図書館で」「歌っている女」でフックが2つになる。
そばに「しかめっ面の男」がいれば「しかめっ面の男」と「歌っている女」でフックが2つで答えやすい。
もちろんこんなク…画像でも傑作回答は出る。だがそれは回答者がすごいだけで画像のおかげではない。
むしろ「特に何もしていない人の画像」のせいで多くの回答者が苦しんでいる。
つまりこういう画像も駄目だ。有名人や有名キャラが写っている画像だ。
駄目な例:
「歌っている男」が「歌っている」「長渕剛」になっているからフックが2つあると思うかもしれない。
ところが長渕剛は歌手で、歌っているのは常態でありフックが増えていないのだ。それどころか長渕剛の知識がない人にとってはただのハンデになっている。長渕剛が図書館で歌っていればいい。
この有名だが誰もが要素を知っているわけではないという事態を回避するのは簡単だ。国民誰もが知っているキャラを使えばいい。だから僕はドラえもんやアンパンマンの画像ばかり使うのだ。
画像に説明を付けるという手段もある。僕がデイリー大喜利で定期的に出題している「百鬼夜行」が典型だ。
マイナー妖怪を説明し、そのうえで出題する。説明が煩雑なのでお題自体はシンプルでいい。
妖怪に限らずともマイナーな物を題材にする場合には、簡単な説明や画像を加えるのもいい。
単なる画像で一言ではなくもう一言付け加えてフックを増やすという方法もある。
この女に5分後に起こった悲劇
6.穴埋めお題の作り方
駄目な例:まさか○○○
駄目な例:やっぱり○○○だね
駄目な例:「銀行強盗だ!○○○!」
駄目な例:テレビを観ているおじいさん「○○○」
末期のぼけおめでよく見たがこんなものはお題でもなんでもない(怒)回答者を舐めているだけだ(怒)
僕も穴埋めお題を作るのは苦手で、
例:銀行強盗が全然1ミリも怖くない受付の女「○○○」
のようにセリフ部分の穴埋めでお茶をにごすことが多い。だがこれは有効な手段で、「○○が一言」系お題を簡単に作り変えられるので、穴埋めお題が必要な時には便利だ。
また穴埋めお題の難しいところは、文章の中に持ってくるケースで、
駄目な例:まさか○○○なんて
この「なんて」の部分が強烈な縛りになるため、いつも頭を悩ませる。1文字違うだけで難易度も面白さも変わってしまうのだ。
駄目な例に上げたように、接続詞や助詞だけで要素がなさすぎるのも難しい。せめて名詞を入れよう。
無理に穴埋めを中に持ってこず最後にするのもおすすめだ。
→まさか銀行強盗がこんな○○○なんて
→まさか不死鳥がこんな○○○
7.困ったら「嫌だ!」でいい
急にお題が必要になり困ったら「こんな○○○は嫌だ」にすればいい。
僕も毎週チャット大喜利を開催していた頃には、肩慣らしのジャブとして第一問はほぼ「嫌だ」にしていた。
先に嫌だを作った後に「良い」にアレンジするのも簡単だ。
→こんな不死鳥は嫌だ
→こんなことで不死鳥が死んだら嫌だ
→こんな不死鳥になら焼かれてもいい
→こんな銀行強盗は嫌だ
→こんなくだらない理由で銀行強盗に失敗したら嫌だ
→こんな銀行強盗なら毎日でも来て欲しい
8.困ったら「どうして?」でいい
「嫌だ」くらい手軽に作れるお題がもう一つある。「どうして○○○?」だ。
○○○には職業やキャラを当てはめ、普通はやらない行為を入れるだけで作れる。
→どうしてあのボクサーは棒立ちで殴られてるんですか?
→どうしてあの女は全裸で全力疾走してるんですか?
→どうしてあのドラえもんは道具を出さずにニヤニヤしてるんですか?
9.ダジャレはお題にしやすい
何か固有名詞をダジャレにすると意外と面白いものができやすい。お題にしようとすら考えず目についた固有名詞をダジャレにしてみるのも手だ。そのダジャレからお題を連想してみよう。
→味も値段もなにもかも普通なモブバーガーの新作CM
→眠くなったら寝ていいIT企業マイネロソフトはこんなだ
→店員がカスなファミレス「カスト」の接客
以上、偉そうにレクチャーしてみた。ほんの1ミリでも参考になれば幸いである。