小金沢ライブラリー

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今週のキン肉マン #174 完璧超人の変革!!

2016年06月27日 | 今週のキン肉マン
・やっぱり獄に繋がれてたネプチューンマン
・総掛かりなんて汚いなさすが無量大数軍きたない
・でもそのわりに無傷だな
・老害マン全く抵抗しないで捕まったんじゃないの
・唯一? ピークア・ブーは?
・グラはなんなのwww
・またあの時の吐血みたいな弱ってるアピールかな?
・捕まったわー。すっげー抵抗したんだけど捕まったわー。抵抗したから弱ってるわー
・丸め込みによる唐突なピンフォール・ルールだったもんな
・次回、キン肉マン、闘ってくれるんだよね……?
・あおりがあおっていくスタイルwww
・さすが不屈のキン肉マン、老害マンごときの一話の説得じゃ立ち直らない
・やっぱり真弓が立ち直らせるつもりなのか
・やっぱりいらなかったのかネプチューンマン
・やっぱり寝てるのかウォーズマン
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ミステリ感想-『東亰異聞』小野不由美

2016年06月26日 | ミステリ感想
~あらすじ~
東亰に都が移され早や29年、人のものであったはずの夜に魑魅魍魎が蠢き始める。
闇御前、火炎魔人、般若蕎麦、首遣い、人魂売り、辻斬り。
新聞記者の平河は闇御前に襲われたという鷹司公爵に面会を求めるが、公爵家はお家騒動に揺れていて……。

このミス14位


~感想~
パラレルワールドとでも言うべき明治初頭の帝都を舞台に、妖しげな魑魅魍魎が跋扈する謎を、明快な論理で解き明かす物語……ではあるのだが、一筋縄ではいかない結末が待ち受ける。
むしろ本番はここからと言わんばかりに、世界を覆い尽くすようなものすごい勢いで風呂敷が広がっていき、そのまま幕が下ろされ唖然とした。
このあたり流石はファンタジー大作「十二国記」の作者でもあり、若干何かの悪い記憶(解決後に妖怪が…クッ…頭が痛い…)を思い出しかけたが、ここまでやってくれればいっそ感動的ですらある。
また解説の野崎六助が指摘する通り、百鬼夜行シリーズで妖怪ブームを再燃させた京極夏彦が「姑獲鳥の夏」を発刊したのとほぼ同時期というのは非常に興味深く、大げさに言えば運命的なものさえ感じずにはいられない。
結末後の展開ばかり話しているが、ミステリとしての出来栄えも堅実かつ十分に意外性のあるもので、一冊で何度も美味しい異形の本格ミステリである。

なお綾辻行人は妻の著した本作を「島田荘司の「本格ミステリー宣言」の問題提起に最も鋭く答えた作品」と評しているとのこと。
真夏も近いってのに熱くてたまんないねまったく!


16.6.21
評価:★★★☆ 7
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今週のキン肉マン #173 闘うこととの闘い!!

2016年06月21日 | 今週のキン肉マン
・メディカルサスペンションの存在を忘れて明日なのかよと委員長を笑ってた僕らが愚かだったのか
・アイドル超人勢の中で一人だけ二戦目が無いあたり流石ウォーズマン
・スグルはウォーズマンどころかロビンやラーメンマンも自分より強いと思ってるんだろうな
・ウォーズマンいい役どころだなあ。戦わないけど
・慈悲の心に目覚めつつあるネメシス
・=マッスルスパークが完成に近づきつつある=スグルやばい
・あっさり逃げられるなんてウォーズマン寝てんじゃないの?
・本当にまさかのネプチューンマン
・どうもここのところ必要以上にスグルが逃げ腰だと思ったらこういう展開か!
・ズタボロで吊り下げられてたわりに元気そうだなネプチューンマン
・あれはただのイメージ図だったのか
・Ⅱ世であれだけやらかした老害マンに株爆上げチャンス
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非ミステリ感想-『DOOMSDAY 審判の夜』津村巧

2016年06月20日 | ミステリ感想
~あらすじ~
若者が離れ過疎化が進むフラートン郡。殺人事件が発生したことすら無い平和で排他的な町に、元SEALの囚人が移住してくる。
住民が強硬に反対運動をする中、正体不明のエイリアンが圧倒的な科学力を武器に町を襲撃する。

2001年メフィスト賞


~感想~
B級どころかC級SFアクション。文章は下手だし、無駄に時系列は前後して煩雑だし、言動はアメリカンというかただただ頭が悪いしと欠点は多い。
しかしだからといって退屈ではなく、判で押したように安易な個性を付けられた町人たちが、日系主人公に典型的な侮蔑を浴びせつつ迫害する前半から、彼らが無慈悲に肉塊に変えられていく後半へとテンポよく進む。
後半はただただひたすら血と内臓と手足がゲドババァ!と飛び交うが描写は簡潔なためグロさはなく、皮肉は利いてるが意外性の欠片もない異星人侵略の理由と結末まで、読ませる力とスピード感は十分。他のメフィスト賞負の遺産たちと比べれば、少なくとも次回作を出せるくらいの魅力はあったはずだ。

だが作者にとって不幸だったのは、出版されたのが考えうる限りで最悪のタイミングだった。
2001年9月5日。かのアメリカ同時多発テロ事件の直前である。
フセインが暗殺され中東情勢が混乱する中、アメリカにエイリアンが侵略という未曾有の危機が舞い降りる、という架空の設定を、よりによって現実が凌駕してしまったのだ。
アメリカの象徴的存在である貿易センタービルやペンタゴンを、マジモンのテロリストがハイジャックした航空機で襲撃し、米軍は中東に侵攻しフセインと全面対決……そんな小説よりもド派手で刺激的なニュースが画面を所狭しと飛び交う中、設定が丸かぶりしてしまったC級SF小説に何ができるだろうか。

余談だが陰謀論者はこんな格好の題材をどうして放っているのだろうか。たぶん仔細に分析すれば911を現す暗号とかビン・ラディンやアルカイダを連想させるキーワードが山ほど出てくるから、誰かやってくれ。


16.6.20
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『最後に愛を見たのは』夏樹静子

2016年06月18日 | ミステリ感想
~あらすじ~
父子家庭で育つ昇と母子家庭で育つミドリ。
昇の父は愛人の加代子との再婚を考え、家にたびたび招き息子を世話させるが、昇も、邪険に追い払われるミドリも彼女を嫌っていた。
そんなさなか別荘でガス中毒死した加代子が発見され――。

84年文春8位


~感想~
事件の背景からしてもう、ある人物の犯行を匂わせ、捜査もそれを裏付け外堀を埋めるように進み、しかし最後には全くの盲点から真相が浮かび上がる秀作。

父子家庭と母子家庭の日常や子供同士の交流、離婚した元夫妻の暗闘やドロドロした背景などが淡々と描かれながらも非常に読ませるもので、解決の契機となるある動機や、何気ない一つ一つの描写やタイトルの意味(これは同じような意味ありげのタイトルとしては「天使が消えていく」のほうが秀逸だったが)などの捌き方もお見事。
熟練の筆運びに加えて意外な真相と皮肉な結末も決まり、派手さはないが実によく出来た隙のない良作である。

なお文庫版の解説は、作中で起こるある事件の真相をノーモーションでネタバレしているため要注意。
そりゃ起こった時点で察しのつくような真相だが、だからといって明かして良いものではない。


16.6.15
評価:★★★ 6
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ミステリ感想-『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』十市社

2016年06月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
高校1年生の一居士架はクラスに溶け込めず幽霊扱いをされていた。
しかし前の席の玖波高町に話しかけられ、二人きりの時に限り交流を結ぶ。
高町は学校周辺で続出する、体の一部を蝶々結びにされた動物の死体遺棄事件に気を取られているようで…。

14年このミス15位


~感想~
フェアかアンフェアかで言えば間違いなくアンフェア。
それも伏線ミスディレクションその他もろもろを「細けえこたぁいいんだよ!」と置き去りにしつつも、「アンフェアで何が悪い」とは開き直らずに「フェアですが何か問題でも?」としれっとフェアを装っているのがたちが悪い。
文章はくどいが青春ミステリらしい青臭さはよく描けており、DQNネームカップルの交流が単純に面白い。あらすじで語られる事件は必要ないっちゃ明らかに必要ないものの、主眼は実はそこにはなく、思いもよらない所から繰り出されるどんでん返しを迎えた時点で期待値はうなぎのぼり。
だが終盤までは間違いなく傑作だし、結末も綺麗にまとまり見事に決まっていながら「やめるのやめた!」と言わんばかりの釈然としなさ過ぎる真相が完全に足を引っ張り、アレさえなければ良かったとおそらく大半の読者が思うことだろう。いやもう本当に1個目でやめときゃよかったのに。
青春小説としては満点だが、ミステリとしては落第点を付けざるを得ない、実にもったいなくも惜しい作品である。

全くの余談だがシャイで引っ込み思案でいじめられっ子設定の主人公が、ほぼ初対面の女子を何の躊躇もなく下の名前で呼び捨てにしたのには愕然とした。
性別トリックとか実は家族とか何らかの伏線とかそういうことではなく本当にただただ普通に呼び捨てにしているだけなのだが、ははーんさては作者はリア充だな。


16.6.12
評価:★★☆ 5
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今週のキン肉マン #172 甲子園決戦!!

2016年06月13日 | 今週のキン肉マン
・モニターだったらこれまで何度も突然生えてきてるだろ
・開催実績がある(キリッ
・あれを貴賓席と言い張る委員長だからな
・武道も認める委員長の手腕
・正義超人の貴賓席は無い
・もっとインターバル取るのかと思ったら明日かよ
・これはやはり特訓をする時間はないな
・真弓がキン肉族の過去を語りスグルが覚悟を決める流れか
・今シリーズの最終戦は期待通り将軍様 VS 武道か
・将軍様が負けてスグル VS 武道もありえるがそれは勝敗は決まってるしダレるか
・将軍様が武道に負ける可能性もあるもんな
・この漫画いちおうタイトルはキン肉マンだし
・そういえばネメシスの本名はMr.パーフェクトことヒロミだと思うんだ
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ミステリ感想-『十八の夏』光原百合

2016年06月12日 | ミステリ感想
~収録作品とあらすじ~
土手で絵を描く小生意気な妖精のような紅美子。浪人生の信也は年上の彼女を慕い同じアパートに住み込む……十八の夏
妻に先立たれ男手一つで息子を育てる高志は、書店を営む明日香に心惹かれる。彼女には暗く悲しい過去があり……ささやかな奇跡
気まぐれで弟や家族を振り回す自由奔放な兄貴に意中の人ができたらしく……兄貴の純情
再会したかつての教え子は見違えるような美女に育ち、同時に危うさも内包していた……イノセント・デイズ

02年このミス6位、日本推理作家協会賞(短編)


~感想~
有栖川有栖「孤島パズル」でのミステリ史に残る言語道断のネタバレ解説で悪名を博し、読んだことないけど嫌いなミステリ作家ランキングを集計すればたぶん1位を争うに違いない氏だが、読んでびっくりすげえ良作だった。

全盛期の道尾秀介を思わせる、とまで言っては褒め過ぎだが、トリックを用いて人間とドラマを描くその手腕は並大抵のものではなく、特に表題作にして日本推理作家協会賞を射止めた「十八の夏」は、こちらにそこまでの心の準備ができていなかったというか、正直に言えば高をくくっていたというか、真相が明かされるや裏で進行していた本当の話に度肝を抜かれた。
「ささやかな奇跡」は残念ながらトリックが見え見えで、自然それをささやかとは言え奇跡と呼ぶのはあまりに大げさに感じてしまい今ひとつ。
「兄貴の純情」も大体の流れは見えていたが、さる伏線が非常に面白いもので、ここで使い捨てるのはもったいなくも感じた。
そしてラストの「イノセント・デイズ」だが、ここまで心温まるストーリーが続いてきたのに急転直下で異常なほどドロドロした家族関係に、昼ドラのようなヤンデレヒロイン、ある資産家の遺産をめぐる連続殺人事件みたいな濃厚過ぎる設定を90ページに詰め込み、しかし終わってみれば救いのある良い話になっているという、目の回るような展開に驚かされた。

年間ベスト級の表題作は別格として、トリックや伏線は物語を描かれるために張られているが、その物語自体が素晴らしく読ませるもので、ほとんど無名に近い(と思う)作者だが、これだけの実力があるならばもっと広く知られるべきだし、他の作品も読まなくてはなるまいと強く思った。
「孤島パズル」で激昂したミステリファンにこそ、ぜひ読んでもらいたい良作揃いの短編集である。
※ただしあのネタバレは絶対に許さない。絶対にだ。


16.6.11
評価:★★★★ 8
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非ミステリ感想-『御手洗潔の追憶』島田荘司

2016年06月04日 | ミステリ感想
~あらすじと感想~
作者の分身による御手洗潔や石岡和己へのインタビュー、犬坊里美やレオナ松崎の手紙から御手洗父(?)の知られざるエピソードなどを収録したファンブック。

まごうかたなきファンブックで一見さんはお断り。御手洗シリーズを残らず読んでいて、作者本人による作中人物へのインタビューというネタも受け入れられる層……って百人単位で存在するのだろうかというマイノリティに向けた一冊である。
インタビュー内容もなかなかガチなもので、大半の読者にはどうでもいいような質問を重ねつつ、どうでもいいような御手洗や石岡君の近況が垣間見られるという、もう本当にファン向けの本なので要注意。

御手洗の父(? 作中で正確な血縁は明かされない)を主人公にした中編「天使の名前」は島田節で読ませる内容だが、真珠湾攻撃前後のさして珍しくない話と広島原爆投下の日が描かれるだけで、大方のファンには興味がなかろう。
その他の短編も御手洗が北欧神話の豆知識を語るだけ&スウェーデンでの御手洗の近況を伝えるだけのもので興味は引かず、十何年ぶりでもやっぱりイラッと来る犬坊・ミステリ界三大腹パンしたいヒロイン・里美の間延びした口調や、やっぱり色々とすげえやばい石岡君の独占インタビューを楽しめてしまう我々のような信者以外は手出し無用だろう。
まあ今回一冊にまとめるにあたり、御大の脳裏に「伊根の龍神」と「エンゼル・フライト」という単語を再び刻むことが出来たのは喜ばしい。「Classical(以下略)」の続きとどっちが先に出るだろうか。
あと「里美の口調は文字で見るとムカつくけど、現物がしゃべってるのは全然イラつかないんだよ」とものすごく力説してて笑った。

余談だがこの作中世界では御手洗シリーズの作者は石岡君で、現役刑事の吉敷竹史が現実の事件の小説化を許すはずがなく、そうなるとこの世界の島田荘司の代表作はいったい何になるのだろうかと思ったり。あれか。「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」か。「写楽」や「アルカトラズ」や「ハロゥウイーン・ダンサー」など最近の傑作を出せる年齢まで作家としてやっていけるのか。少なくともこっちの島田荘司は「ゴッド・オブ・ミステリ」なんて絶対に呼ばれてないよな。島田荘司が中堅作家なら新本格派は存在できたのか。アレやアレをパクらずに金田一少年の事件簿は売れたのだろうか、などなど余計なことを考えてしまう。


16.6.4
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『マスカレード・イブ』東野圭吾

2016年06月03日 | ミステリ感想
~収録作品とあらすじ~
一流ホテルのフロントクラーク山岸尚美は、利用客として現れた元カレに「不倫相手が姿を消した」と助けを求められる……それぞれの仮面
新米刑事の新田浩介はジョギング中に刺殺された経営者の周辺を捜査。人格者の彼が狙われた理由とは……ルーキー登場
ホテルに缶詰になるため宿泊した覆面作家。美女で知られるその素顔を一目見ようと狂信的なファンが押しかけ……仮面と覆面
大学教授が殺され、容疑者として浮上した男はアリバイを証明してくれる不倫相手の名を上げることを頑なに拒む……マスカレード・イブ

「マスカレード・ホテル」で出会う前の尚美と新田のそれぞれの物語。


~感想~
トリック単体を取り出せばきわめて単純でバレバレだったり、伏線が後出しジャンケンで不足していたりと、本格ミステリとして見れば物足りない面があるのは確か。
だが「マスカレード・ホテル」シリーズ、それも本編の前日譚として見れば百点満点に近い出来だろう。

またトリックはおいといても物語としての見せ方は実に巧みで「ルーキー登場」でのおぞましい犯人と新米刑事の対決、トリックはごくごくありきたりながら、真相と密接に絡まり収まるべきところに収まっていく表題作など見どころは多く、特に表題作での尚美と新田の運命的な関連は前日譚として完璧に近い仕上がり。エピローグにもアレを持って来てと、まさに万全の備えで「マスカレード・ホテル」を楽しめた読者なら迷うことなくすぐさま手に取るべき好短編集である。


16.5.30
評価:★★★ 6
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