~あらすじ~
明治政府の雇われ技師エッセルは、謎の館で死体を発見するが、その後火災とともに死体は消失した。
昭和45年、医大生・氷倉は河底トンネルで、そこにいるはずのない友人の刺殺体に遭遇した。
そして現代、路上の密室を追う森江春策の前に、明治・昭和の未解決事件が甦る。
~感想~
大小あわせ6つもの密室をめぐり、明治~平成の時代を超える意欲作。それだけに読みとおすだけで疲労困憊。
独特の重たい文体に、明治の空気を漂わせる作中作、そして密室の大盤ぶるまいと来ては芦辺中毒を起こす寸前。
これだけの長編ながら、数は多いが小粒な密室トリック(物理科学の応用授業あり)に、団塊世代への感情的な恨み節。そして投げっぱなしたような動機と消化不良で胸やけも起こしそう。
時代を超えて6つの密室が連関する趣向は買うが、その連関ぶりは我田引水とまでは言わないが、結びつきが脆弱なのも事実。
作者の大阪LOVEは強く強く伝わってくるが、関東人にはこれまた味がどぎつすぎる。元新聞記者らしい社会性を出しすぎてしまったのも、口に合わない原因か。
都市(大阪愛)小説としては満点。だがミステリとしては味に好みが分かれる、読む人を選ぶ作品であろう。
…………疲れた。
08.5.26
評価:★★☆ 5
明治政府の雇われ技師エッセルは、謎の館で死体を発見するが、その後火災とともに死体は消失した。
昭和45年、医大生・氷倉は河底トンネルで、そこにいるはずのない友人の刺殺体に遭遇した。
そして現代、路上の密室を追う森江春策の前に、明治・昭和の未解決事件が甦る。
~感想~
大小あわせ6つもの密室をめぐり、明治~平成の時代を超える意欲作。それだけに読みとおすだけで疲労困憊。
独特の重たい文体に、明治の空気を漂わせる作中作、そして密室の大盤ぶるまいと来ては芦辺中毒を起こす寸前。
これだけの長編ながら、数は多いが小粒な密室トリック(物理科学の応用授業あり)に、団塊世代への感情的な恨み節。そして投げっぱなしたような動機と消化不良で胸やけも起こしそう。
時代を超えて6つの密室が連関する趣向は買うが、その連関ぶりは我田引水とまでは言わないが、結びつきが脆弱なのも事実。
作者の大阪LOVEは強く強く伝わってくるが、関東人にはこれまた味がどぎつすぎる。元新聞記者らしい社会性を出しすぎてしまったのも、口に合わない原因か。
都市(大阪愛)小説としては満点。だがミステリとしては味に好みが分かれる、読む人を選ぶ作品であろう。
…………疲れた。
08.5.26
評価:★★☆ 5