小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『幻惑密室』西澤保彦

2000年04月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
密室と化した社長宅で起きた殺人事件。
しかも室内では時間の流れまでも狂っていた!?
不可思議な事件の真相解明に現れたのは
「超能力者問題秘密対策委員会出張相談員(見習)・神麻嗣子」
彼女が告げる真相とは?


~感想~
新シリーズ開幕は絶好のスタート。
魅力的な登場人物と、ひさひざに冴えわたるトンデモ設定。
ジェンダー論が小うるさいが、とにかく楽しんで読める。


00.4.27
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『誰かの見た悪夢』積木鏡介

2000年04月24日 | ミステリ感想
~あらすじ~
帰省する途中、大学生の醍醐と夢摘は車に家出した子供が隠れているのを発見した。
行きがかり上、送ることになった二人がたどり着いたのは奇怪な幽霊病院。
惨劇の記憶を封印した脱出不可能な館に首切り死体が次々と現れる。
全ての惨劇が収束するおぞましい真相とは?


~感想~
もはや悪ふざけに思える装飾過多な文体に苦笑。
「幻想とミステリの融合」という作品はままあるが、これは極北。
あまりにも幻想的で蠱惑的な、それでいて論理的な狂った世界。
しかし明快な解決は刃のように鋭い。もちろん今作もメッタメタ。
……あえて言おう。積木鏡介は「バカミステリ作家」だと。
普通のミステリとして読むのではなく、バカミスとして読むことを強くオススメする。


00.4.24
評価:★★★★ 8
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ミステリ感想-『安達ヶ原の鬼密室』歌野晶午

2000年04月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
奇妙な屋敷に住む老婆に助けられた少年。
その夜、彼は窓から忍び入ろうとする鬼に出くわす。
次々と起きる奇怪な事件。真相は五十年の時を経て『推理嫌いの探偵』の手により明らかになる……。


~感想~
子供向け絵本。アメリカで暮らす日本人留学生。終戦直後に起きた連続殺人事件。
雰囲気のまるで異なるこれら3つの話をつなぐたった一つの真相。
この構成には賛否両論あるが、稚気に富んだプロットは手放しで褒めるべき。物理トリック好きは必見。


00.4.17
評価:★★★☆ 7
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ミステリ感想-『ぼくのミステリな日常』若竹七海

2000年04月12日 | ミステリ感想
~あらすじ~
月刊社内報の編集長に抜擢されたOL若竹七海。
そこへ「小説を載せろ」とのお達しが。プロを頼む予算もなく、先輩に泣きついたところ、匿名作家を紹介される。
かくして掲載された十二の物語が思わぬ謎を呼び……。

本格ミステリ・ベスト100 40位、このミス6位


~感想~
連作短編集。
長編――として見るとあまりに内容は薄い。連作としての仕掛けも驚かされるより「ふうん」という感想。
読みづらさと読みやすさが半々に同居した文体は、まだまだ洗練されていない。
小粒で辛くないただの短編集。


00.4.12
評価:★☆ 3
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ミステリ感想-『夜の蝉』北村薫

2000年04月11日 | ミステリ感想
~収録作品~
朧夜の底
六月の花嫁
夜の蝉


本格ミステリ・ベスト100 88位
日本推理作家協会賞 ――夜の蝉
このミス 2位


~感想~
日本推理作家協会賞。
ほとんど文学作品。あくまでミステリであってほしかった。
ミステリ史上屈指のおぞましさ『朧夜の底』。一転して青春まっさかり『六月の花嫁』。文学『夜の蝉』。
好きな人は好きなんでしょーね。
解説に言われなければ気づかない比喩ってなんなんだろう。


00.4.11
評価:☆ 1
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