小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『七つの棺』折原一

2000年03月24日 | ミステリ感想
~収録作品~
密室の王者
ディクスン・カーを読んだ男たち
やくざな密室
懐かしい密室
脇本陣殺人事件
不透明な密室
天外消失事件


~感想~
デビュー短編集。
著者は「あらけずり」と語るが、それが逆に魅力になっている。
元祖バカミスとでも呼ぶべき奇想天外なトリックの数々が面白い。
特に『脇本陣殺人事件』は原作を知らずとも楽しめる、完成度の非常に高い逸品。


00.3.24
評価:★★★☆ 7
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ミステリ感想-『魔物どもの聖餐』積木鏡介

2000年03月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
縄文寺久羅のマンションを訪ねた野呂啓介は、自分あてに残された手紙を見つける。
そこには、幽羅が桔梗荘に集まる人々を皆殺しにしようと企んでいると記されていた。
幽羅とは、地獄のはらわたから産まれた傀儡師。
誰にでもなんにでもとり憑き、意のままに操ることができる久羅の呪われた兄弟。
そして桔梗荘では、まるでおとぎ話のような事件が次々と発生し……。


~感想~
奇作にして怪作。そして(ある意味)大傑作。氏に求められるすべてをクリアし、なおかつそれすらをも上回った。
こう見えて(本当にこう見えて)フェアなトリックと、狂い咲きのようなむっちゃくちゃな展開に、ただ拍手を送りたい。
メタミステリ史上に残る逸品。……ただし、好みが超極端に別れる作家なので、苦情は受けつけませんあしからずw


00.3.14
評価:★★★★☆ 9
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ミステリ感想-『複製症候群』西澤保彦

2000年03月02日 | ミステリ感想
~あらすじ~
異形の壁に閉じこめられた高校生たち。
だがその壁からは逃げ出すわけにはいかない。
その壁に触れると、姿形、記憶や考え方まで完璧に自分と同じコピーができてしまうからだ。
そんな密閉空間での殺人事件。犯人はオリジナルか、それともコピーなのか。


~感想~
異常さがきわだつ。暗く深くおぞましい、狂って壊れた世界。
今回はミステリというよりもSFホラーといった雰囲気も。
どうもこの頃から、氏の論調は無駄に(私見)理屈っぽくなってきた。まあ面白いけど。


00.3.2
評価:★★★☆ 7
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ミステリ感想-『消える「水晶特急」 新装版』島田荘司

2000年03月02日 | ミステリ感想
~あらすじ~
全面ガラス張りの豪華展望車「水晶特急」が出発した。
だが出発直後、列車は乗っ取られ、人質を乗せたまま突然かき消えてしまい……。


~感想~
これまた奇想。時刻表ものかと思わせてその実……。
一部で有名な吉敷の(ネタバレ→)女装まで見られるサービス満点の一作。


00.3.2
評価:★★★ 6
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