~あらすじ~
佐藤誠。八十六件の殺人を自供した殺人鬼。その犯罪は、いつも完璧に計画的で、死体を含めた証拠隠滅も徹底していた。ただひとつの、例外を除いては。有能な書店員だった彼は、なぜ遺体の首を切断するに至ったのか。
~感想~
『リロ・グラ・シスタ』で厨二病ミステリを世に問うた作者が描く、ノンフィクション風の異色作。
変わった趣向というだけではなくそれがトリック、それも最後の一撃に効果的に働いている。
ネタバレにならない程度に言うと、「疑問に思って当然のこと」をうまいこと疑問に思わせず隠し通して、最後の最後に明かすことで、一級のサプライズを演出しているのだ。
それだけではなく、作中で追われる首切りの謎もなかなかに見事なもの。佐藤誠という人物の存在感、読み返したときにニヤリとさせられる、そういう意味を持っていたのかという冒頭のシーンなどなど、見所は多い。
賞レースではほとんど話題にならなかったが、08年を代表する隠れた秀作である。
08.10.30
評価:★★★★ 8
佐藤誠。八十六件の殺人を自供した殺人鬼。その犯罪は、いつも完璧に計画的で、死体を含めた証拠隠滅も徹底していた。ただひとつの、例外を除いては。有能な書店員だった彼は、なぜ遺体の首を切断するに至ったのか。
~感想~
『リロ・グラ・シスタ』で厨二病ミステリを世に問うた作者が描く、ノンフィクション風の異色作。
変わった趣向というだけではなくそれがトリック、それも最後の一撃に効果的に働いている。
ネタバレにならない程度に言うと、「疑問に思って当然のこと」をうまいこと疑問に思わせず隠し通して、最後の最後に明かすことで、一級のサプライズを演出しているのだ。
それだけではなく、作中で追われる首切りの謎もなかなかに見事なもの。佐藤誠という人物の存在感、読み返したときにニヤリとさせられる、そういう意味を持っていたのかという冒頭のシーンなどなど、見所は多い。
賞レースではほとんど話題にならなかったが、08年を代表する隠れた秀作である。
08.10.30
評価:★★★★ 8