~あらすじ~
潜入捜査の末に麻薬王を逮捕したデュー刑事。妹の誘いでスポーツ慰問に同行し向かった村で、麻薬王の釈放を求める武装ゲリラの襲撃に遭う。テコンドーやサッカー、ラグビー、体操といった各種競技のチャンピオンが揃う慰問団の面々とデュー刑事は、自らの競技で培った肉体と技のみを武器に武装ゲリラに立ち向かうのだった。
~感想~
スタッフは同じだが『マッハ!!!!!!!』の続編ではない。エンドロールで流れる撮影風景で、車上から落下したスタントが危うく車輪に巻き込まれそうになり、監督らしき人物が「あとちょっとで轢かれてたぜ!」と
大はしゃぎしているところなど、壮絶な受け身や体当たりスタントは見ごたえあるが、それ以外の部分が酷い。
ストーリーが無駄に重く、なんの罪もない人々が次から次へと殺されていく。しかもそこは
死体描写に定評のあるタイ。邦画やハリウッドではちょっとお目にかかれない存在感ある死体を存分に見せつけてくれる。しかも死に方がむごい。無抵抗のまま銃を乱射されたり、村人とテロリストが対峙して一斉射撃で全員死亡、ロケットランチャーでこっぱみじんとエンタテインメントの範疇をぶっちぎりで超えている。
愛国心にもあふれてしまっていて、テロリストに囲まれた丸腰の村人たちが、ラジオから流れだした国家を合唱しながら銃撃をものともせず死体を踏み越えて突撃するところなど、
燃えるどころかドン引きである。
そしてそんだけ重たい状況の中で器械体操やサッカーボールでテロリストを屠っていくアスリートたちや、大の男を
シャイニングウィザードでKOする幼女は実にシュール。
余談だが誰もがガチンコでスタントに挑むなか、テロリスト役の女優にはどう見てもパンチが当たっておらず興醒めした。
顔が命な女優がマッハの仕事受けんじゃねえよ!!
ともあれ万人にはおすすめできない仕上がりなので、タイトルに惑わされないよう注意していただきたい。
評価:★★ 4