この国は、バブル以降の経済の建て直しに、従来の経済論の延長上にその解決策を求 めた。国家公務員でもないのに、女を公舎に囲っていたにがばれた、前税制会長が安倍お坊ちゃまに起用されたことで解かるように、企業を優遇することで経済の建て直しを図ったのである。
企業が利益を上げるためには、戦後強力な労働組合が吊り上げた世界的に高くなった人件費が一番邪魔になる。臨時雇用や派遣社員を増やすことで、企業は潤う結果になった。今の内閣は、更に企業を優遇しようとしている。
市場経済はそんなに重要なことなのか。GNPで景気を測る近代経済学は、人の営みも幸せも考慮しないようである。お金があれば幸せならまだにも、勤め先にお金が入ると従業員は幸せになるというような論理が、この内閣は目指しているようである。
人間ですらこのレベルなのである。家畜となるとやり放題で、儲ければいいことになる。家畜に、大量の穀物を与えることは、貧国から食料を奪うことになる。価格を上げるということだけでなく、家畜を人より優先することは倫理的にも許されないのではないか。
今、オーストラリアとの交渉の中で、食料が犠牲になろうとしている。それに打ち勝つ畜産 形態は、大規模で家畜の生命や倫理観などとは無関係な飼養形態にしなければ、畜産農家は生き残れない。この国は、EUとは全く逆の安い畜産物を生産するシステムを選択した農家を優遇しようとしている。
畜産物を安くするということは、家畜の生存や健康を犠牲にし環境を汚染させ、貧国から食料を奪うことでもあるのだという、認識を持ってもらいたい。