そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ家畜は産む機械だロ

2007-02-01 | アニマルウエルフェアー

Hakuo_yanagisawa 柳沢とか言う厚生労働大臣が「女は子どもを産む機械だ」と発言して物議をかもし出している。失言とか何とか言っているが、この手合いは思っていたことをうっかり口に出したに過ぎない。しかも本人は、少子化対策など厚生関係の最高責任者である。海外のメディアも盛んに報道しているようである。

時代が大きく変わっても、頭の中がそのままの人間を、自らの「論功行賞」という、主観で選んだことの顛末である。お坊ちゃまは、人事で躓くのは人を見る目がないからである。小泉内閣を唯一評価したいのは、こうした不祥事と無縁だったことであるが、どうやら選挙を睨んで与野党とも引きそうにない。

ところで、家畜はそもそもが産む機械として飼育されている。メスでなければ、卵を産まないし乳0411193も出ないし、子どもを産めない。家畜とはメスであるともいえる。家畜は産むための効率を上げるために品種改良がされてきたのである。オスは品種改良のために残されることはあるが、ほとんどが玉を抜かれ肉を付けて殺されて食卓に上がる。

効率よく改良された、家畜はたくさん卵を産むがために、またたくさん乳を出すがために、間断なく妊娠して分娩するがためにそれが負担になってきている。最近では多くを一度に飼うために、さらに家畜個々の管理が疎かになる。

先進国の家畜は、高生産と多頭羽飼育のためにと、高生産を強いられるために大変なストレスの下に置かれている。効率的な生産を行なっている酪農家の、乳牛の多くは半病状態にあり、羽すら伸ばせないニワトリは生きていくのがやっとの状態で、卵を生産している。安価な穀物を大量に与えられて、大量の畜産物を生産して短命に終わる。まさしく産む機械である。

柳沢大臣は、産む機械とはどんなものかも知らないで、発言しているのだとは思うが、家畜の世界ににも「家畜福祉」の概念が登場してきている昨今である。つまり、家畜の飼養環境を改善して、もっと生きている個体として扱わなければならない言われ始めているのである。

家畜ですら、生存環境や生産に伴うストレスが問題になっているのである。担当大臣としてもっとたくさん子どもが欲しいから、発言したのであろうがなんとも情けない知的レベルである。

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