野田内閣は八方ふさがりになっている。消費税の増税については、「ネバー、ネバー、ネバー、ギブアップ」(もう一回ネバーはあったかもしれない)と、強く宣言していた。
ところが党内にあっては、小沢グループのみならずかなりの周辺の議員も、増税ありきの論議には食傷気味になっているよう
である。景気条項やさらなる増税を織り込むことへの、議員としての立場を考えるようになったからである。
さらには、党外協力を願いたいと自民党に、声かけてみた。結果が得られなかったことで、党首同士の密談や、副総理の幹部への度重なる秋波は否定することで、体面を保とうとしている。
結局は自民党には、すっかりコケにされてすごすご戻ってきた。条件付きの解散にも応じることができなかったようである。
頭越しの交渉を見て、公明党がすっかり民主党にそっぽを向いてしまった。増税派の民主党議員には、公明党とのパイプも薄い。根回しが得意な連中は、すべて小沢の傘下にある。ついでに、中国や自民党とのパイプについても同様である。
連立与党の国民新党も、閣議決定なら離脱をほのめかしている。消費税の増税については、首相のパフォーマンスが際立つばかりで、党内外の根回しも論議も進んではいなかったのである。
野田はナマズにすらなりきれなかった。大連立は画餅に終わった。閣議決定をすることもできない。今後野田政権は、党内決定を待たずに法案を提出するか、総辞職か解散以外に選択肢はない。
自らも、ドジョウはドジョウでしかないと言っていたが、どうやらそのようになる風向きになってきた。ドジョウ氏は、民主党政権で、最も短命内閣になる公算が大きくなってきた。