憲法記念日の昨日、週刊金曜日の発行人の北村肇さんの講演があった。第一線の編集者の視点から、自民党の動きや安倍内閣の危うさを語ってもらった。
安倍政権になってこの国の根幹をなしてきた、平和の安定した動きが危なくなってきた。96条の改定はその入り口にしか過ぎない。
自民党の憲法草案は、いつでも戦争ができ、いつでも海外に派兵できる、そうした動きの陰には、すでに徴兵も視野に入れている。個人の権利よりも、公益と称する国家への奉仕の方が優先される。
何よりも安倍首相が執念を燃やしているのが、教育改革である。日教組を封じ込めるため、かなり周到に取り組んでいる。教育再生実行委員会議のメンバーは、名うての右翼の人物が並んでいる。
TPPについても、すでに日本は自動車に関してはアメリカの言うことを飲み込んでいることが解っている。ほとんど唯一、利益が上がると思われていた、自動車産業でさえこの通りである。日本をアメリカの経済傘下に置くための条約である。
マスメディアは、96条の改正報道についても、緊張感がないという。こうした動きは、改革などではなく、クーデターと言える急速な右傾化が進んでいるというのである。産経や読売は、改憲を促す側に回っている。
安倍の狙いは96条にあるのではなく、それは単なる政党への踏み絵にしか過ぎない。石原慎太郎の言うように、この国を軍事国家にしていこうとするのである。アベノミクスも、財界を取り込む手段に過ぎないことが判る。北村氏の言う、クーデターという状況に近いと実感できる。