大阪市議会で、橋下市長の従軍慰安婦をめぐる一連の発言を受けて、自民、民主系と共産党などが、問責決議案を提出した。当初は公明党も加わっていたが、松井大阪府知事の、問責が通れば選挙になると脅し、橋下を援護した。
選挙になると恐れおののいた、市議会ではキャスティングボードを握る公明党は、問責決議案と一言一句変わらない、注意文書のようなものを出した。問責も注意文書も過半数には至らなかった。選挙に勝ってしまうと、あらゆることがミ禊になってしまう。免罪符を与えることになることを、嫌ったともいえる。
大阪市議会は、選挙にはめっぽう強い橋下脅しの軍門に下ったのである。選挙は想定外だった大阪維新の友党である公明党の日和見が、橋下を救った格好である。
橋下の一連の慰安婦発言、それに続く沖縄米軍の日本女性利用しろ発言で、もっとも救われたのが、安倍晋三である。安倍首相は、野党時代や閣外にあって、橋下と遜色ない発言を繰り射返していた。
橋下の強烈な、世界各国からのバッシングを見て、これは当分だんまりを決め込もうとしたようである。橋下はいわば、安倍のスケープゴートになったのである。維新の協力がいる96条改定も、当分は全面には出してこないだろう。急速に維新の会とは距離を取り始めている。
それにしても、大阪市議会は何とも情けない政治的動きに終始した、本日(5月30日)の一連の動きである。