プーチン大統領の就任から一年を迎えて、5月6日にモスクワのボルトニー広場で、反プーチン集会が開かれた。8000人の参加者は、「ロシアに自由を」と訴えた。
プーチンの言論弾圧の強権的姿勢は、プーチンを批判する多くのジャーナリストや政治家の不審な死亡が今でも後を絶たない。政権批判の女性ロックバンドが、拘束されて収監されたままである。
集会では、一年前の5月6日のデモで治安部隊に拘束された人たちの釈放を訴え
た。今回の集会でも、6名が拘束されている。
プーチンはこの一年で、デモ規制法の罰則強化など、反体制運動の封じ込めを行っている。昨年の抗議デモが3万8千人であったことを考えると、プーチンの思惑は成功していると言える。
こうしたことを繰り返すことで、この国には健全な民主主義がこれから育まれるのか極めて疑問である。中国も類似の経過をたどっているように見えるが、いずれも社会主義体制の崩壊(中国は現体制を社会主義体制と言い放っている:嘘である)後の、経済成長が民主主義や人権の擁護などの、健全な発育土壌を持つことができなかったのではないか。
国民は、社会体制時代の貧困から脱するためには、経済成長を多く望んだのであることは、事実であろう。然しそれは、この後の社会体制のありようを歪なものとして、認めることになろう。事実、ロシアも中国も民族問題を抱えいるが、圧倒的な武力と経済発展という、薄いベールで覆っているに過ぎない。
それにしても、日本のメディアの報道がまったくないのは、まさか北方領土問題を気にしての扱いなのだろうか?