23日の正午に、東海村の日本原子力研究開発機構の加速度実験施設「J-PARC」で放射能漏えい事故が起きた。金にビ-ムを当て素粒子を発生させる実験中
に、安全装置が働きビームが停止した。良くあることだったらしく、リセットして再実験を4時間もやった。気が付くと、研究員の放射能測定装置が、通常の4倍の値になっていた。
あわてて、研究員が行った行為が実験施設のダクトを開けて、ファンを回すことだった。放射能を拡散させて、自分たちの居場所をより安全にする行為である。通常ならともかく、放射能である。彼らは、半減期の短かったものがものが多かったのでと言い訳をしている。
ここには、原子力研究に携わる人間としての意識が全くない。これが、放射性物質の性質を熟知している集団の取った行為である。極めて未熟な対応だったと言える。
ここまで十分驚かされる行為の連続であるが、もっと呆れたのは、この施設のファンにはフィルターすら取り付けられていなかったのである。放射能は実験施設を抜け出て、周辺へ拡がった、
もっと驚かされのは、周辺自治体への報告が、30時間も経って行われたことである。この一連の対応を見ていると、この研究施設では事故対応の訓練がやられていなかったことが、推察される。
30時間も遅れて報告をするまで、彼らの取った対応で評価できるものが一つもなく、放射性物質を扱う専門家としての、基本的な教育がなされていないことも解る。
原子力規制委員会は27日、事故やトラブルの深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)で「レベル1(逸脱)」と暫定評価した。作業員の被爆レベルが最大1.7ミリシーベルトと低かったが、外に漏らしたことに対する厳しい評価である。因みに福島原発やチェルノブイリでも、レベル7である。
27日現在で被爆した人は、33人にもなっている。結局、原子力村の中で教育されてきた研究員たちの、エリート意識が福島原発以降も何ら改善されていない低レベルを露呈したまでである。
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