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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

思わぬ結果のイギリスのEU離脱

2016-06-24 | EU
イギリスが国民投票で、当初の予測を覆してEUからの離脱を決めた。離脱を騒ぎたてる保守を抑え込もうと、キャメロンが打って出たが読み違いであった。報道は移民問題やEUによって自国の法律が決められないなどによる、国民の不満が大きいとするとする傾向が強い。果たしてそうであろうか?
残留派が圧倒的だったのは、数年前独立投票を行って否決されたスコットランドなどを中心とする北の地方である。スコットランドは、EU離脱ならスコットランドは再び独立をすることになると宣言している。それが条件での残留投票であったことを考えると、離脱が圧倒的だったことになる。接近しているとの報道はキャメロン政権の意向に沿うものであった。
イギリスは離脱が即座にできるわけではない。離脱そのものを認めていない国もいるし、ほとんどの加盟国が国内にイギリスと同類の離脱勢力を抱えている。離脱の連鎖を恐れる加盟国が、イギリスの離脱に与えるハードルは相当高くなり、時間もかかることになる。下手をすれば5年以上かかるかも知れない。いずれにしてもイギリスは、離脱の事務手続きで半数が反対するのであるから相当騒がしくなる。
キャメロンは不機嫌そうに、離脱の手続きは次の首相がやれと政権から離脱を宣言している。中国主導のインフラ銀行のAIIBを西側で真っ先に認めて、創設メンバーに真っ先に加わったこともあり、かなりの勢いでイギリスは中国に接近することになるだろう。すでに中国は歓迎を表明している。
市場は早速騒ぎ立てているが、リーマンショックとは異なり急激な事態にはならずソフトランディングすることになる。それほど騒ぎ立てることではないが、反応は異常である。しかし日本は異次元の金融策で築きあげた、虚構の円高と株高が瓦解することになる。アベノミクスは破たんする。(もうしているが)
投票率が72%と日本では考えられないほど高く、離脱と残留の論争が政党を超えてされていたのが羨ましい限りである。日本では決してこのような論議は行われることがない。この投票率の高さと、大英帝国の残影を望む声、それとコモンウェルス・英国連邦王国の思想が今回の残留を決めたのであろう。
これからギリスはイバラの道を歩むことになるが、多様な民族国家になるつつあるこの国が団結できるか疑問ではある。
EUはこれからもこのような試練を受けることになるであろうが、多少の変貌はしなければならないだろうが、ノーベル平和賞を受賞した理念を失ってほしくはないものである。
コメント (1)
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