安倍晋三が政権を執ってから、何度も何度も強行採決が行われてきた。カジノ法も同様である。カジノ法がが出てきた時に、真っ先に反対の意見を本ブログに書いた。政府は統合型リゾート法(IR)として、カジノはほんの一部であると強調するが、ならば何もカジノなど容認する必要などない。カジノは賭博である。賭博は絶対悪であると、最高裁判所がまだ健全であったころ判断を下している。賭博は刑法で禁じられている。勤労の美徳を害するものである。ついでに言えば、株やマネーゲームも勤労とは無縁の所得で賭博に近いものと言える。
経済振興が目的のカジノ法である。カジノは儲けの30%は納税せよというのである。賭博の儲けは誰かの不幸の上に積み上げられたものである。通常の労働が誰かに何らかの益をもたらし、その結果得られた儲けなら課税額の多寡はともかく、賭博の儲けの汚れとは全く異なるもので納税は当然出る。与党はもちろんのこと野党も、賭博の依存症などばかりを取り上げるが、賭博が刑法で禁じられている絶対悪やその意味などを論議すらすることない。金さえ入れば倫理などどうでもいいのである。
汚れた金は戦争も同じである。人間の生命や人権や財産を奪い資源を収奪し、富を得るのが戦争である。戦争は最大の公共事業であり、最も大きな経済振興政策でもある。今回の米朝首脳会談で、アメリカの軍事企業の株価が暴落したが、それじゃ困る人たちがいずれ巻き返す。第二次世界大戦後のアメリカは、軍需産業と政治の凌ぎあいの歴史ともいえる。軍需産業の膨大な利益と、軍事力による世界進出がアメリカ経済を支えてきた歴史がある。国家が儲かれば、倫理などどうでもいいのである。
そうした意味で、カジノ振興と戦争は同質の経済戦略なのである。
アメリカはこれから、トランプが詳細については全く触れることのなく金正恩に一方的に寄り切られた米朝合意は、アメリカ国内から強い異論が出ることになろう。もしくは強力な裏工作がこれから始まることだろう。倫理の復権などではない、金が入らないことへの抗議としてである。
倫理観の欠如した政治は、平気で嘘を言い続ける安倍晋三やトランプの存在を醸成し、何のためらいもなく政治の一線に居続けることになる。