平成最後の、つまり現天皇として最後になる終戦記念の日の今日、政府主催の「全国戦没者追悼式」が日本武道館で開かれ、天皇は言葉を述べられた。
「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」という言葉を新たに足し、「全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」とつないだ。静かに反戦の意思を述べ、憲法を意識した内容と言える。
「謙虚に歴史と向き合い」と安倍晋三は述べた。この男が謙虚に向かい合った、森友加計問題は、見事にかわされ時間稼ぎの真っ黒の壺の中にな言ったままである。その一方で、靖国神社には玉ぐしを奉納している。
今年も、安倍晋三は「不戦の誓い」も「加害者としての反省や謝罪」などまったくなく、言葉だけの「戦争の惨禍を二度と繰り返さない」と述べる言葉が空しい。防衛費(安倍にとっては軍事費)はどんどん増やす。イージス・アショアなる無用の長物に金を使うばかりか、周辺国への刺激にもなる。
日本が右傾化はもちろんのこと、確実に軍国化へと向かっていることは、誰の目にも明らかである。辺野古基地の新設や宮古島へのミサイル配備や奄美大島などに、自衛隊の増強をやる政策は、歴史に謙虚に向かい合うなど行為ではない。嘘を平気で言う安倍晋三の姿は見飽きてはいるが、場所が場所だけに飽きれたものである。
人口減少や高齢化が進行する時であるからこそ、平和憲法を持つ日本は非軍事による外交をするべきなのである。
皇室という特殊な立場から多感な時期に戦争を体験し、忘れられないとする沖縄慰霊の日、広島原爆投下の日、長崎原爆投下の日、終戦記念の日を強く意識する天皇は平和憲法を今年ほど強く意識したものはない、最後の言葉と言える。