日本の報道は、暑い暑いの報道で熱波に見舞われる本州の40度を、熱く何度も報道している。しかし同じ日本の当地、北海道の東の果ては今年は冷夏である。一昨日の朝は3.6度しかなかった。今日も雨が降って14度にしかならない。寒くてたまらん。日本は熱波に襲われているだけではない。
アメリカのデトロイトは観測が始まって以来の、143年振りの寒波の夏である。数百年生きると言われている、アフリカののバオバブの木が枯れているとのことである。世界は異常気象なのである。
一度の降水量も尋常でない。河川の改修や災害対策も必要であろうが、異常気象の報道も併せてやらなければならない。雲の高齢化についての問題もある。目先の大変だ、大変だばかりの短絡的なことばかりをタレ流すのが能ではない。
上の図はアメリカの干ばつが見込まれる今年のものである。D4の地域は放牧主体の肉牛が多い地帯である。下の写真は水に群れる肉牛たちである。
そして周辺とD3は穀物生産地域である。この辺りの穀物生産は家畜用といってよいものである。来年度の需給関係と価格の高騰が心配である。日本の家畜のほとんどはこの辺りから、全農が主体となって買い付けている。
穀物生産量はこの2年は順調である。穀物生産量は19億トンを長年保っていたが3年ほど前に20億トンを超えて、22億トンほどになっている。日本の畜産はアメリカの穀物生産量依存している。アメリカの穀物生産量が日本の畜産物は、生産量と価格を牛耳っていると言って過言ではない。日本の畜産は、安価なアメリカの穀物を与えて、高価な肉や玉子や牛乳に変える、穀物加工業である。こうした気候変動は極めて危うい産業形態なのである。
先ごろ農水省が発表した昨年の食料自給率は過去最低の、38%まで下がってしまった。日本は少子高齢化社会と突き進んでいるが、少子高齢化は均等に日本に起きるものではない。過疎地、僻地、田舎、農村(すべて同義語である)に先行して、少子高齢は起きる。つまり日本は、食糧自給に対して具体的で効果のある対策を講じなければならないのである。ところがアベノミクスは、バブル期のそれゆけドンドンの経済政策の連発である。種子法の廃絶、市場法の廃案の検討、高エネルギー高資本の投入による農業農企業化、農業災害補償法の廃止、農産物の輸出奨励等々、日本の農業は安倍晋三によって切り捨てられている。
その一方で、国連の奨励する家族農業小規模農業の切り捨ても進行している。
異常気象が常態となるこれから先、真に農業生産を見据えた対策こそが求められるのである。