数年間のことである。余りにも増えたエゾシカの処分に自衛隊が駆り出されたことがある。150名ほどの2つの部隊の隊員が、二日に渡ってエゾシカを山野を追いかけた。結果1頭処分できただけである。ベテランのハンターなら、一日で数頭のエゾシカを処分できるだろう。
今回周防大島で2歳の幼児が三日間も行方不明になって、連日150名以上の捜索隊が動員して捜索したが発見できなかった。誰もが失望感に陥るころ、ボランティアの78歳の老人が独自の調査で20分で発見に至ったのである。この人の対価を求めない熱いボランティア精神には頭が下がる。それにしても、連日の捜索人は何をしていたのか。
大阪の富田林の警察から婦女暴行や窃盗を繰り返す男が逃亡した。警察に杜撰なことが沢山ある。不十分な管理など逃亡に気づかなかったばかりか、住民に知らせたのが8時間も経ってからである。おまけに周辺でひったくりや、盗難が相次いでいるのに詳細な内容は警察からは何の報告もなされていない。報道が事実関係を拾っているだけである。盗難やひったくりの事実関係や、大都会であるから多分相当たくさんあるだろう防犯カメラ情報など、何の報道もなされない。大阪府警はメンツを潰され動きが鈍いのだろう。情報を出さない。「警察何やっとんじゃー」大阪人は檄を飛ばす。
このところ、多くの分野から職業人と言われるものが消えてきている。
極めつけは、アメリカの大統領のトランプである。「おい知ってるか、日本はアメリカ駐留に金出してるんだぜ」と、周辺に漏らしたそうであるが、地位協定など知らないのでないか。日米外交に詳しい評論家が、何をするか解らない大統領と、親米ながら述べていたのが印象的的である。
今日アメリカの400誌以上の新聞が、トランプが気に入らないメディアをフェイクニュースだ、そして”国民の敵”と決めつけていることに、一斉に反論を掲載した。トランプは低俗な素人政治家である。反論する者へは十分な説明もなく、一方的に切り捨てる。その片方では、擁護してくれるなら国家の立ち位置など関係なく、ロシアのプーチンを持ち上げるのである。
不都合な発言を自らの権力で認めない。こうした横暴は民主主義は育たない。発言も主義主張も短絡的である。フェイクニュース(ニセ報道)と断じている根拠など、全く示すことなどない。
トランプは事実関係が明らかになっても、都合の悪いことは認めようとしない。極めて恣意的な政治家である。この点は安倍晋三にも共通するところである。十分に関係法規や歴史的経過や事実関係など、お構いなしに思い込んだことしかやらない。この男たちは政治の素人なのである。それでも特定に支持層にだけ向いた政策は欠かさないため、歯止めの一定の支持率だけは確保されていることになる。2歳児を見つけた、対価を全く求めないボランティアの爺様の爪の垢でも飲ませたいものである。