そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

近々必ず起きる南海トラフ巨大地震を想定しない、欠点だらけのリニア新幹線

2023-06-01 | リニアー新幹線
開通し運用が始まると、赤字が確実視されているリニアー新幹線(中央新幹線)である。バブル時代の遺物の中央新幹線を、超電導浮上式リニアモーターによって建設される。計画も工事も杜撰で典型的不良国家プロジェクトである。更に建設にあたっても、落札した大林組と清水建設は談合が明らかになっているし、工事の経過にあっても、深刻な問題が絶え間なく起きている。訴訟問題は際限ない。
東京名古屋の285キロ全線の、86%がトンネルの中である。所要時間45分であるが、東京も名古屋の駅も、在来の他線との連携が全くなく、東京ー名古屋を45分で結んでも、乗車するまでにと、下車してからも同程度の時間がかかるという、お笑いのような話である。
新幹線比して一人当たりの電気使用量が、建設側は3倍かかるというが、30倍を計算する学者もいる。電気を馬鹿食いすることだけはハッキリしている。
更に強力な電磁波による被害は、想定すらしていない。

決定的にこの事業が怪しいのは、20~75年以内に80%以上の確率で起きる、南海トラフ大地震を想定していないことである。津波は来ないから安全という、馬鹿げたJR側の説明はお笑いでしかない。日本最大の糸静線断層が連動して、とりわけトンネルで貫通する南アルプスの地中の、無数の断層群に何が起きてもおかしくはない。
列車が巨大地震をトンネル内で受ける確率は86%であるが、リニアー新幹線に乗務員は想定していない。トンネル内の事故での避難路、脱出口は自分の足で歩くことになるが、その後は地元任せである。巨大地震の中、地元の応援を想定する貧困な対策はお笑い以下である。
多くの震災を予測した地震学者の、石橋克彦は南海トラフ巨大地震で崩壊したトンネルの復旧は不可能で、廃線しかないと断言する。JR東海は必ず起きる地震を想定していない。これは原発がミサイル攻撃を想定しないのと酷似する。
危険で非経済で環境破壊のリニア新幹線は、建設中に南海トラフ巨大地震が起きて、建設中止になることが最も経済的で、環境へも国民へに負担も最小限に収まることになる。

2014年7月に、日本科学者会議 が路線の撤回・中止を求める声明を出している。私も支援している、沿線住民のいくつかの市民団体が連携して「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」として活動している。JR東海労働組合もリニア計画反対を表明している。2014年8月には日本共産党も議員チーム「リニア中央新幹線問題プロジェクトチーム」を結成している。山梨県中央市で立ち木トラスト運動が実施されている。
地下水問題やトンネルの排土問題や、住宅地などの陥没問題など起きているが、これからどれだけの問題が起きるかも予見もできない、厄介なリニア新幹線である。リニアは理にあわない。

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