IAEA(国際原子力機関)によると、ロシア軍が占拠するウクライナ中南部のザポリージャ原発で19日夜から20日朝にかけて12回以上の爆発があったとのことである。ロシアとウクライナはそれぞれ、相手からの攻撃だと非難している。建物や機器などが損傷したが、原発事故につながるような重大なものはなく、死傷者もなかったとIAEAは報じ、即時停戦を訴えている。
施設の大破も人的被害もない、何とも都合の良い爆発事故である。現在ウクライナは、ロシアのドローンとミサイルによる発電施設への攻撃で、これまでの供給電力が半分しか使えなくなっている。
ウクライナは、5、6号基の稼働継続を訴えている。ザホリージャ原発は現在でも3000名の職員が働いているが、ロシア兵は500名駐留している。ウクライナが攻撃するメリットは少ない。
冬を迎えザホリージャ原発を破壊するメリットもウクライナイには皆無である。被害のない爆発も不思議で、ウクライナの何キロも離れたところからそんな器用なことなどできるとは思えない。
参考になるのが、10月17日に起きたドイツへのロシアの天然ガス供給パイプライン、ノルドストリーム4本のうち3本が破壊されるという事件である。プーチンはポーランドがやったと言い、EU各国はロシアと非難している。
この事件で、敢えて考えると天然ガスの価格高騰を引き起こし、世界最大の天然ガス生産国のアメリカが金銭的に得をする。それは余りにもリスクが大きく、慎重なバイデンが選択するとは思えない。
翻って、ロシアには一時的な収入減になるであろうが、極めて大きな圧力をヨーロッパ諸国にかけることが出来るし、そもそもパイプラインの所在やバルト海を具に周知しているロシアが手を出しやすい。これまでの経緯から見て、戦術的にもプーチンなら選択することが誰もが思いつく。
ザホリージャ原発の攻撃はロシアが演じたもの考えるのが妥当であろう。この原発の爆発事故が起きれば、侵略前のロシア領土が汚染されることになる。
幾度かザホリージャ原発での爆発事故が起きてはいるが、軽微で原発建屋などはいずれも外されている。駐屯する軍隊なら可能なことである。
これほど原発は戦争下にあっては危険なものに代わる。日本の原発の安全保障は全く考えもしていない。小学生に頭を抱えて机の下に避難させるのなら、原発が攻撃された時の非難訓練をやるべきである。意味ないけど。
北朝鮮の脅威を日本政府は考えていない!