日本の秋の風景に定着した感のあるコスモスであるが、どうもこれはおかしい。コスモスは、メキシコ原産の外来種である。発芽力が強いので、どこでも生える。しかも大量に、広い面積で栽培 されることも最近では珍しくなくなってきた。
コスモスが生えているところをよく観察していただきたい。スラーっとした花の下には何もない。痩せ土で広い面積に栽培されているところでは、ほんとに虫がいないのである。雑草も生えることがない。コスモスは他の植物を圧倒するのである。
小面積なら、可憐なコスモスは人の心を慰めてくれます。ところが、痩せ土でも生えるコスモスは、生態系を破壊してしまうのです。特にそれが広い面積になると、虫も鳥もいない静かにコスモスだけが風に揺れる風景になってしまいます。秋の風景として、もの寂しささえも感じるかもしれません。
N町では花いっぱい運動として、町中をコスモスで埋め尽くそうとしています。今まで何もなかったところへの植栽は、花でいっぱいになるからと受け入れられているように思います。秋の風景として定着しつつもあります。元校長の世間知らずのお人好しの方が始めた運動であるが、見た目にほだされていないだろうか。
これだけの面積になると、すでにおかしな状況になっているものと思われるが、詳細な調査は聞いたことがない。どこでも生えてくれるコスモではあるが、そのためにも植栽は制限して然るべきである。