アメリカの垂直離着陸機、オスプレイの普天間基地への配備を巡って、憲法に抵触しながらも任命された森本防衛大臣は、「できれば、配備前にすべての事故調査の結果が提供されるのが望ましいが、必ずしもそうならないことはあり得る」と発言した。
この手の事前の通告は、過去ほとんど空手形に終わっている。要するに、森本大臣はフリーパスで、これほど事故を繰り返す危険な戦闘機の、世界で最も危険な普天間基地な基地への配備を認めたことになる。
オスプレイはミサゴ(鶚)という、魚専門の猛禽類の名前である。平和の象徴である野鳥の名前を、戦闘機に付けないで欲しいものである。
オスプレイは、垂直離着陸機であるが、極めて不自然な動きを強いる戦闘機である。一般の有翼戦闘機でありながら、ヘリコプターのような大きなプロペラを付けている。そのプロペラが水平翼に付けられて、前に上にと90度回転するのである。
民家すれすれに飛ばなければならない、普天間基地という世界で最も危険な基地に最も相応しくない戦闘機である。対米従属、中国危機論、集団的自衛権行使、憲法改悪を唱える森本が、アメリカに事前通告を本気で要請するとは思えない。
先日の沖縄県議会議員選挙で、わずか1議席しか取れなかった民主党沖縄県連ではあるが、さっそく森本に辞任要求の抗議を出している。ここは民主党を評価してもいいだろう。
翁長那覇市長もオスプレイの配備について、「今までになく沖縄に対する政府の配慮がない。沖縄負担軽減の方針はどこに行った」と批判している。
これを受けてかどうか定かではないが、期間限定とはいえ早速岩国市が、オスプレイの受け入れを容認する発表をしている。
どこの自治体も、金が欲しいのである。政府の言う「ご理解」や「負担軽減」は、金であって決して、住民の意に沿ったものではない。ましてや、安全保障のため自らの自治体を捨て石にしようと、崇高な理念を持っているわけではなく、懸命に米軍に”ご理解”しているのである。そこにつけ込む国家権力である。
鳩山は就任早々、沖縄の意に沿おうと思ったようであるが、結局防衛官僚に押し切られてしまった。民主党瓦解の原点である。
戦闘機?そりゃおかしいゼ