中国各地で反日デモが起きている。尖閣列島に関する反日デモとされているが、これはどう考えてもおかしい。3人目のフジサワの社員を開放して、何とか収まってから 数週間経っての、各地のデモである。
現在の中国には、民意というものが存在しない。特定の情報、あるいは政府のフィルターを通した情報しか与えられない国民に民意などあり得ない。判断材料がないのである。少しはましであるが日本も似たようなものではあるが・・・
尖閣問題が収束に向かっている最中に、劉曉波のノーベル平和賞受賞が決まった。彼の活動は反政府運動とされるが、実態は民主化運動であるが、劉曉波を支持する人たちが集まって、ノーベル賞受賞を祝う小さいながらもデモや、即時釈放などの抗議運動が行われた。この中国の知識層といわれる劉曉波を支持する人たちは、夫人も含め事実上軟禁状態にある。
劉曉波を支持する彼らの活動は、政府によって厳しく抑え込まれている。尖閣問題に関する抗日デモは、ネットなどで呼びこまれた若者が主体である。大学には行ったものの就職できない、蟻族といわれる内陸部の不平分子が中心とされる。社会的不平分子のはけ口に利用された感がある。
中国は、ウイグルやチベット問題に関しては、ネットを厳しく規制している。実際に政府が、反日デモを規制するつもりならば、いとも簡単なことである。つまり今回の時期を外れた、反日デモは、政府の意図であると言える。
デモはあたかも民意の表現のように見え、国内法に違反した劉曉波氏のノーベル賞受賞の高揚を抑えるのには格好の手法である。こうして見ると、今回の反日デモはノーベル賞隠しの、官製デモであると言える。