アメリカのチェイニー副大統領が、ペルシャ湾上で海兵隊を前にイランに警告を発した。 核の開発を許さない、イラクへの武力援助を許さないというものである。イランをテロ国家と断じて、アメリカは交渉の窓口を閉ざしておきながら、テヘランへの圧力である。先だってのエジプトの会議でも、外相同士の接触すらすることがなかった。
ブッシュは議会のイラクからの撤退案を、大統領権限で拒否している。予算削減にも拒否権を発動している。アメリカは力を誇示し、中東各国を押さえつけようとしている。かなり強引な行為であることは誰の目にも明らかである。
その中東は今収拾のつかない状況にある。1昨日は、アメリカ兵が五人殺害され3人が誘 拐されている。計画的に襲撃されたようである。誘拐された兵士の交渉は明らかにされていない。
アフガニスタンでは、カンダハールでタリバンのトップ兵士が殺害された。力を回復しつつあるタリバンの反転攻勢が気になるところである。
パキスタンのカラチでは同じ日に、車爆弾が仕掛けられて30人以上の死者がでる事件が起きている。ほとんど同じ日の出来事である。
イラクの復興にイランの協力は、財政的にも地理的にも全面的な協力が必要になるのは明らかである。アメリカは、議会の撤退案を蹴るばかりか今後の見通しにどうしても必要なイランに協力を求めるどころか、圧力をかけるしかしていない。無能な政権の暴走のように見えるのは、私だけであろうか・・・