安倍晋三が、緊急事態宣言を発令したのが昨年4月7日である。因みに安倍晋三は”発出”などという威勢の良い言葉を使ったが、これは造語である正確には”発令”である。この時発令した理由が、「世界的にパンデミックが広がっている」ということであった。
しかし、この時点で世界では200万人に達していない状況であった。日本といえば、国内感染者者数は400人にまでなっていない。東京都ですら200人がせいぜいであった。
この2週間前の3月24日には、オリンピック・パラリンピックを一年程度延期すると発表しいた。現在の状況では難しいというのが理由であった。この時点では世界は150万人に達してはいなかったところが現在世界は新規感染者数は、9千万人の後半になり、ほどなく1億人に達する。70人に一人が感染している状況なのである。日本は緊急事態を発令した時の20倍の8000人近い人が新規感染し、東京では10倍にもなっているのである。この時点でも、緊急事態は限定的に発令しかしていない。しかも今回は、協力事業所などへの保障はない。国民への一斉現金給付(定額給付金)もない。アベノマスクもないが、これはなくて良い。
「人類がウイルスに勝った証として」オリンピックは必ずやると大見えを切った菅義偉であるが、世論調査では90%を超える日本国民が、オリンピック開催は無理だと思っている。10か月前の判断基準は反故にされている。
要するに菅義偉ら政権内部は数字に慣れっこになって、10か月前よりよほど深刻な状況になっているのにかかわらず、対策はトーンダウンしている。怠っているといって良い。鈍化したといっても良い。
菅義偉首相は、就任後初の施政方針演説を国会で行った。誤読を繰り返しながらの情けない演説に44分もかかったが、新型コロナ対策は決意表明だけのたった7分余りしかなかなく具体的な対策は示されなかった。ほとんどがポストコロナの経済対策に費やされた。
菅義偉は新型コロナ対策に具体案がなく、危機感すら欠落したままである。菅は出来ればスルーしたい、触れたくないのだろう、コロナ対策が嫌なんだろう。