国会最終盤になって、「第二自民党」の日本維新の会のちぐはぐ対応が滑稽でもある。衆議院で自民党の政治資金規正法改正案に、文書を交わし賛成したものの、党首会談での合意が反古にされたとして馬場代表など執行部への不満が出ていたり、看板政策の大阪都構想をめぐる党幹部の温度差が露呈するなど、党内のゴタゴタも起きている。
馬場伸幸代表が、自民党を「うそつき内閣」「最大限の力(参議院では)で攻撃」するとまで言っている。党内のゴタゴタを外に向けた感もある。
さらに、馬場代表は「今国会でやらないならうそつきということ。自民との付き合いは考えていく必要がある」と、自民への怒りをぶちまけている。それは、維新の会が目指す調査研究広報滞在費(旧文通費)の、取り組みを自民党が先送りし法改正の見通しがなくなっためである。
馬場代表によると、5月31日に岸田文雄自民党総裁との党首会談で、旧文通費改革について「使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずること」と盛り込んだ合意文書を交わし「100%丸のみ」させたと胸を張りっていたが、改正案が参院審議に移ると自民の動きはとたんに鈍くなって、浜田靖一国会対策委員長は、「日程的に見ると厳しい」と、旧文通費をめぐる今国会での法改正に消極的な姿勢に転じた。
東徹参院議員は参院政治改革特別委員会で「規正法改正案への賛成と旧文通費の改革は、パッケージでやってきた。このままでは賛成できない」と言い切った。
野党で一党だけ抜け駆けして、自民党案に乗った維新の会については、与野党とも冷ややかである。
維新の会は創設者が早々と離脱し、不特定多数が主に関西の地方議会に名を挙げ、多くの場面で評論にも値しない質の低さ、醜い不祥事を絶えまなく起こしている。いずれ消滅する大阪だけに特化して起きた政治団体である。
今後もこのような醜い不祥事を重ね、遠くない日に消えてゆく政党と思われる。