日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

障害者が宿に泊まるということ

2006-01-30 23:26:44 | 私の雑感あれこれ
彼女の言葉が耳に残っている。
「日本の旅館(宿)に、部屋風呂が備わっていたら、この子を連れて旅行もできるのだけれど、共同の大風呂だとチョット心配でね」と。
彼女の就学前の長女は自閉症で、他人と一緒が苦手。時には奇声も出るし、親の手を振り払って無軌道に飛び回る。
「一週間に一度とか一ヶ月に一度とか預かってくれるところがあれば、親もリフレッシュできるのに、奥さんが元気になると、旦那さんにとってもいいことだし…」
スプーンを握り締めて飛び跳ねる娘の姿をにこやかに追いながら、彼女が語った言葉が耳に残っている。

だからなのか、リゾートホテルや、観光地の宿の部屋に入って、洗面所の隣に部屋風呂があると、「あっ、Yさん、こんなのだったら喜ぶんだろうな」と、一瞬頭をよぎる癖がある。
私は大きい風呂が楽しみだから部屋風呂は使ったことがないけれど、ユニットバスであっても、それがあることがうれしい人がいるのだと、ドアをあけてみて思うのです。
あれから随分の時が過ぎて、すっかり年取ったけれど、あの時の私は20代半ば。自閉症の娘を持つ5つ6つ年上の彼女の心のうちのどれほどを理解できたか、そう思います。
二人とも運転免許のために教習所に通っていたけれど、
彼女の理由は
「夫の仕事は転勤があるから、いつも養護学校の近くに住めるとも限らない。だから車が必要なの」でした。
私?
「子供が育って、やがて仕事ややりたいことが見つかっても、足がなくて出向くことができず諦めなくてはならないということがないように」と。

それから30年近く。
ホテルの部屋風呂はあるのが普通になったけれど、
この度、ホテル東横イン経営者、身障者用設備の設置はお荷物という意識が露見。
違法なことをしないと成り立たないのでは残念です。

乳飲み子を抱えた私に語ってくれた彼女、あれから何度H子ちゃん連れて旅行したかしら。
そういえば、私たちの子供があの時の私たちよりも年上です。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小島社長のフューザーが自治体に損害賠償提起

2006-01-30 22:46:32 | 社会問題
偽装された建築確認申請を許可したことの責任について損害賠償請求するとのこと。
請求額は損害額100億円余り、名誉毀損等の慰謝料30億円。
この訴訟で得たお金で被害者への弁償金とするとのこと。
訴訟提起はできるのだけれど、「なーんだか?」と思った。

泥棒に入って、警報装置が鳴らなかったから、まんまと盗むことができた。
後から泥棒がバレて被害弁償の請求されそうになったら、
警報装置がなれば泥棒することがなかったのに、警報装置の故障が被害発生の原因だと。
弁償するにも持ち金がない。
背に腹は変えられない。
といったところだろうけれど、一瞬「あれっ!そんなのアリ?」と思った。

いずれにしろ、機能しない警報装置は情けない。
この国の工業製品の警報装置はこんな納品は認められないけれど、この国や自治体という公の警報装置(チェック機能)はお役所仕事という言い方もあるから性能がいまいちなのでしょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする