日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

映画「蛇イチゴ」を見る。

2006-07-25 06:05:41 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
普通の家庭、どこにでもあるはずの平凡な家庭、を謳い文句に幕は上がるが…。
サラリーマンにしがみつこうとしているらしい一家の主。
痴呆の舅の介護に愚痴をこぼすべきではないと、それも主婦の仕事と受け入れている妻・母。
自分の信じるところを子供たちに向かっても語りかける、スタンスのしっかりとした小学校教師の娘。
幕が上がって、実は平凡な普通の家庭は、仮の姿であることが次々と。
そこに救いの神現る、かと思いきや、インチキな世渡りをしている勘当息子。

筋運びに間延びしたところがないから、好感が持てる。音楽が流れない。
日本の映画でも、こんな作り方する映画があるのね、先日見た中国の監督チャン・イーモウ風に感じる(さては音楽不得意かななんて思ったり ※(笑い))。

後から、調べてみると
2004年28才の西川美和監督の初作品とのこと。脚本も彼女とのこと。

リストラされた50代の男の映画。
痴呆老人の介護にあけくれる主婦の映画。
親に感動された不良長男の映画。
どれも、どの切り口でも映画は作れそうです。
そして、この作品は世間では普通に見えるだろう家庭に育った、若い女教師の目から見える家庭を描いていました。

インチキ・嘘っぱち・犯罪の世界に生きる「お兄ちゃん」、遠くへ追いやってしまいたい存在なのだけれど、兄妹である証、それが幼いときの共通の思い出「蛇イチゴ」という設定。

※ 大学出たての頃、一度だけ、中学生の演劇指導(脚本選びから、演技指導まで一切全部)をしたことがあります。そのとき、そういえば「音響」というものがあった、とは思ったけれど、音楽音痴だからさっぱり自信がない。音楽の先生にお願いして、ストーリーを説明し、曲を選んでもらった経験があります(苦笑)。覚えています「ムソルグスキーの禿山の一夜」の頭の部分。
立派な東京のある区のホールで、さて当日上演の段になり、専門の照明係さんから指示を求められて、ここでもさっぱり判らない。
いくつかの照明のバリエーションを披露してもらったけれど、やっぱりストーリーを説明して、「おまかせ」してしまいました(苦笑)。
大賞は、あの「夕鶴」を演じたグループだったけれど、参加チーム監督の誰かが、うちの演じたのが賞を取るのなら納得だけれど、なんて小さく伝わってきたことが、私を「にんまり」させたものです。…「お世辞に弱い」は私の特徴です。
「十を知って一を教える」べきところを、「一を知って、二か三に膨らまして教えていたレベルでしたけれど」(またもや苦笑)
だから、音響のない映画に出会うと、あの時のことが思い出されるのです。
コメント
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