原作はチャールス・ディケンズ。
1805年に債務者監獄※で赤ん坊が産まれる始まる。
※当時のイギリスでは債務返済できずに破産手続きで支払い免除とはならずに、債務者監獄に拘束され続ける。
そこで産まれた女の子が二十歳を過ぎるころからの物語です。
イギリスの労働者階級の暮らし向き、貧困層の実態が伝わってくる。まだ電灯はない。かろうじてガス灯が夜の明かり。生活に追われる日々の清潔とはほど遠い日常がリアルに伝わってくる。
ヨーロッパ作品にしばしば出てくるのは、遺産相続人だということがわかって、一発逆転、という場面。
この作品もそのケース。
貴族階級がテーマであっても、財産がある殿方(ご婦人)をどうしてゲットするかに終始している模様も定番です。
長年ここに収容されていた債務者であるドリット氏にも、莫大な遺産が転がり込んできたとという展開。
すると彼は、娘を上流階級のお嬢さんに仕立てて、社交界デビューをさせなくては、と考え始める。
雇った家庭教師から、日常のふるまい方すべてを上流の子女に鍛えなおすには、四六時中の立ち居振る舞いから仕込む必要があるといわれ、一家で遠路イタリアを目指す長旅に出る。
旅先の逗留値は暖かいベネチア。そこに住まいを借りて(お屋敷風というか高級ホテル風)ベニスの社交界に加わろうとする。
あのオーバーなカツラと仮面で装った集まりであったりする。
舞踏会やパーティーは有産階級の時間の使い方のイロハなのでしょう。
ベニスは行ったこともなく、ベネチァグラスとか仮面舞踏会、ゴンドラ、とか観光案内程度に知っている限りだけれど、19世紀にはこんな街として存在していたのか、と、話の筋とは違うけれど、妙に印象に残りました。
上流階級のお嬢さん風になる訓練中にエイミー(リトルドリット)は、姉に「なにもすることなくて退屈」とつぶやく。
姉が言う。「上流階級になるってことは退屈にもなれなくっちゃならないのよ」というセリフ。風刺です。
裁縫をしたり、お料理を作ったりも、病んだ人に手を貸してあげるのも、ご法度。使用人の仕事なのです。
ここに登場するお金持ちは貴族階級ではなさそうだけれど、ブルジョア階級もそういう社会を作り上げていたのですね~。
ドリット氏は、自身も娘たちも着飾って、そのパーティー会場に向かおうとしたその建物で、大勢の仮面を付けた紳士淑女に向かって自己紹介するのです。
私は「マーシャルシーの父」と呼ばれていました。長くそこで暮らしていても、威厳を保ち続けていたから、そう呼ばれて、周りの者たちは私に献上品を持ってきたものです。と、誇らしげに、とうとうと述べます。
そのマーシャルシーと聞けば、債務者監獄ということは周知のことなのです。上流階級の仲間入りをしようと苦心惨憺している最中なのに、結果として白状してしまったのです。そう認知症が彼の心中を吐露させたのです。
その晩、彼は息を引き取ります。
ストーリーの本筋ではなく、背景の一部を取り上げたメモになりました。
ヨーロッパ(主に西欧)の歴史を描いていると思えるドラマをたくさん見てきています。こんな時代を歩んで今に至っているのか、と学べます。多くのヨーロッパの読書階級の方々も当然、ディケンズの作品は読んでいらっしゃるのでしょう、と思ったりします。
この小説はディケンズの晩年に当たるころの4冊からなる長編だということです。
小説で読まないで、ちゃっかりドラマ(8話完結)で、知ったかぶりは恐縮ですが、ドラマを見るという虎の巻でヨーロッパを知るのもいいものだと思っています。
二都物語 オリバーツイスト 大いなる遺産 そして リトルドリット。
みんな映像でゲットです。苦笑
1805年に債務者監獄※で赤ん坊が産まれる始まる。
※当時のイギリスでは債務返済できずに破産手続きで支払い免除とはならずに、債務者監獄に拘束され続ける。
そこで産まれた女の子が二十歳を過ぎるころからの物語です。
イギリスの労働者階級の暮らし向き、貧困層の実態が伝わってくる。まだ電灯はない。かろうじてガス灯が夜の明かり。生活に追われる日々の清潔とはほど遠い日常がリアルに伝わってくる。
ヨーロッパ作品にしばしば出てくるのは、遺産相続人だということがわかって、一発逆転、という場面。
この作品もそのケース。
貴族階級がテーマであっても、財産がある殿方(ご婦人)をどうしてゲットするかに終始している模様も定番です。
長年ここに収容されていた債務者であるドリット氏にも、莫大な遺産が転がり込んできたとという展開。
すると彼は、娘を上流階級のお嬢さんに仕立てて、社交界デビューをさせなくては、と考え始める。
雇った家庭教師から、日常のふるまい方すべてを上流の子女に鍛えなおすには、四六時中の立ち居振る舞いから仕込む必要があるといわれ、一家で遠路イタリアを目指す長旅に出る。
旅先の逗留値は暖かいベネチア。そこに住まいを借りて(お屋敷風というか高級ホテル風)ベニスの社交界に加わろうとする。
あのオーバーなカツラと仮面で装った集まりであったりする。
舞踏会やパーティーは有産階級の時間の使い方のイロハなのでしょう。
ベニスは行ったこともなく、ベネチァグラスとか仮面舞踏会、ゴンドラ、とか観光案内程度に知っている限りだけれど、19世紀にはこんな街として存在していたのか、と、話の筋とは違うけれど、妙に印象に残りました。
上流階級のお嬢さん風になる訓練中にエイミー(リトルドリット)は、姉に「なにもすることなくて退屈」とつぶやく。
姉が言う。「上流階級になるってことは退屈にもなれなくっちゃならないのよ」というセリフ。風刺です。
裁縫をしたり、お料理を作ったりも、病んだ人に手を貸してあげるのも、ご法度。使用人の仕事なのです。
ここに登場するお金持ちは貴族階級ではなさそうだけれど、ブルジョア階級もそういう社会を作り上げていたのですね~。
ドリット氏は、自身も娘たちも着飾って、そのパーティー会場に向かおうとしたその建物で、大勢の仮面を付けた紳士淑女に向かって自己紹介するのです。
私は「マーシャルシーの父」と呼ばれていました。長くそこで暮らしていても、威厳を保ち続けていたから、そう呼ばれて、周りの者たちは私に献上品を持ってきたものです。と、誇らしげに、とうとうと述べます。
そのマーシャルシーと聞けば、債務者監獄ということは周知のことなのです。上流階級の仲間入りをしようと苦心惨憺している最中なのに、結果として白状してしまったのです。そう認知症が彼の心中を吐露させたのです。
その晩、彼は息を引き取ります。
ストーリーの本筋ではなく、背景の一部を取り上げたメモになりました。
ヨーロッパ(主に西欧)の歴史を描いていると思えるドラマをたくさん見てきています。こんな時代を歩んで今に至っているのか、と学べます。多くのヨーロッパの読書階級の方々も当然、ディケンズの作品は読んでいらっしゃるのでしょう、と思ったりします。
この小説はディケンズの晩年に当たるころの4冊からなる長編だということです。
小説で読まないで、ちゃっかりドラマ(8話完結)で、知ったかぶりは恐縮ですが、ドラマを見るという虎の巻でヨーロッパを知るのもいいものだと思っています。
二都物語 オリバーツイスト 大いなる遺産 そして リトルドリット。
みんな映像でゲットです。苦笑