日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

秋の新宿御苑

2005-11-02 22:06:33 | 子育ての周辺
秋の日差しの中、砂利の音を聞きながら歩く。
「大都会の真ん中にこんなに緑があるなんてすごいよね」
「ロンドンのハイドパークは広いけどこんなに木々がないものね」(横長の公園敷地を横切ったものだから、歩いても歩いても公園が続き、草臥れた思い出が残っている)
「この街はすごいね。地下鉄も縦横に走る都会なのに、こんなに太い木がいっぱいある公園が街の中にあるんだもんね」と娘との会話。
懸案の話について一晩語り明かして、青空に誘われてやってきた新宿御苑。
「お母さん、どこに行きたい」と、聞かれて
確かバラ園もあったかしらなどと、30年前を思い浮かべながら「新宿御苑」と答えた。
そして新宿御苑に。
この街にもう一人の娘もいる。
「東京に行くから一緒に食事でも」との昨日の誘いのメールに、「ごめんなさい、時間がない」との返信があった。
彼女がいるのは新宿区内。
「お正月まで、身動き取れないほど課題がいっぱい」と、数日前にもメールがあったけれど、「それでも」「もしかしたら…」そんな気持ちが心のどこかにあるものだから、
自分自身に「昔訪ねた公園にもう一度」という理由をつけて、新宿区内のこの公園にいる。
「まったくアホだな」と自分を笑う。
アルバムにあるバラ園をバックにすましているミニスカート姿の若い娘が30年経って今の私。
娘たちは自分の30年後を知らない。写真の私も当然知らなかった。
自分の未確定のこれからに対して夢を持っている。夢の分量だけ不安もあるのだろうけれど、若いというエネルギーが彼女らを支えていることを切々と感じる。
「出る幕はない」というのは、こういうことだろう。
離れて暮らす娘たちに「元気?」とメールを送るばかりです。
そういえば、あのコマーシャル1回しか見ませんでした。
「元気か?」
「うん、元気」っていうやつ。
「元気だから、そういつも電話してこないで」と答えて涙をこらえる娘。
親子の心情、言い当てていますよね。「あ・うん」の呼吸ってやつかな。
つい耳を澄まします。
「元気」という音調に。
メールでは音調が伝わらないから、見えない文字を探しているような気がします。
まったくアホですね。




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2 コメント

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息子たちは・・・そして姉 (glimi)
2005-11-03 07:29:06
 娘はいません。息子たちは動物と同じく成長とすると家族という群れを離れました。それで良いと思っています。



 病人を抱えた姉は私の来訪をまっています。先日もエスペラントの大会が終るなり遊びに来てと電話でした。でも、レポートを書くとか報告書を発送するとか仕事は終わりません。日帰りなら無理してゆけますが、泊りがけでという条件があるので日が取れないでいます。姉の気持は分っていても行動に移せません。彼女は薄情な妹と思っているでしょうね。来ない内にあの世に行ったら化けて出ると言っているような姉の気持が伝わって来ます。
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コメントありがとうございます (案山子)
2005-11-03 08:12:35
公園をともに歩いた娘の台詞

「きっとお婆ちゃんも、(娘である)お母さんに会いたいのだけれど、我慢しているんだよ」「おばあちゃんは、思っても口に出さないで我慢する人だから、お母さんが私たちに会いたいなと思ったら、お婆ちゃんも一緒だなって、思ってね」

まさしく、『おう(背負う)た子に教えられ』です。

来週、母に会いに北陸へ向かいます。
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