「石坂さんの話は面白いね」
父親が何の脈絡もなくこう話しかけてくるときは、日経新聞に掲載されている私の履歴書の話に決まっている。
実際今連載されている免疫学者石坂公成さんの話は、花粉アレルギーではあってもそれ以上のことは何も知らない私でさえも、毎回読んでしまうくらい話が面白いのだ。一流の人の話はそれだけ人をひきつけるものがあるのだろう。
ここで困るのが私の履歴書の下に同じように掲載されている小説「愛の流刑地」だ。
巷では話題になっているようだが、朝の6時台通勤電車の中でこの小説を読んでしまった後の脱力感はなんともしがたい。
50歳代後半の小説家菊治と3人の子どものいる主婦冬香の恋の話なのだが、今は丁度東京と京都の遠距離恋愛から、主婦冬香が夫の転勤で同じ東京へやってくるのを待っているところだ。これが若者だったら、我慢などしないでさっさと会いにいってしまうのだろうし、手持ちのお金がなかったら、側にいる女の子の許へ行ってしまったりと色々他に道はあるだろう。しかしそこは大人の男性、大人しくまっているかと思ったら、「早く来てくれないとどうかしそうだ」とメールなど打ったりして全然こらえ性がないのだ。更に遠距離恋愛の時も、会えるのは嬉しいが費用が大変だなどと、女々しいことが書いてあったりするから、「大変だったら行くな」とついつい突っ込みを入れたくなってしまう。
朝の通勤電車に似合わない話は、これからは主婦冬香の夫も登場し、更に佳境に入るはずだ。これが朝刊に掲載される意味に首をかしげながら、結局毎日怖いもの観たさに読んでしまうことになりそうだ。
出来ればこれからはもう少し男らしい菊治になってほしいものだ。
父親が何の脈絡もなくこう話しかけてくるときは、日経新聞に掲載されている私の履歴書の話に決まっている。
実際今連載されている免疫学者石坂公成さんの話は、花粉アレルギーではあってもそれ以上のことは何も知らない私でさえも、毎回読んでしまうくらい話が面白いのだ。一流の人の話はそれだけ人をひきつけるものがあるのだろう。
ここで困るのが私の履歴書の下に同じように掲載されている小説「愛の流刑地」だ。
巷では話題になっているようだが、朝の6時台通勤電車の中でこの小説を読んでしまった後の脱力感はなんともしがたい。
50歳代後半の小説家菊治と3人の子どものいる主婦冬香の恋の話なのだが、今は丁度東京と京都の遠距離恋愛から、主婦冬香が夫の転勤で同じ東京へやってくるのを待っているところだ。これが若者だったら、我慢などしないでさっさと会いにいってしまうのだろうし、手持ちのお金がなかったら、側にいる女の子の許へ行ってしまったりと色々他に道はあるだろう。しかしそこは大人の男性、大人しくまっているかと思ったら、「早く来てくれないとどうかしそうだ」とメールなど打ったりして全然こらえ性がないのだ。更に遠距離恋愛の時も、会えるのは嬉しいが費用が大変だなどと、女々しいことが書いてあったりするから、「大変だったら行くな」とついつい突っ込みを入れたくなってしまう。
朝の通勤電車に似合わない話は、これからは主婦冬香の夫も登場し、更に佳境に入るはずだ。これが朝刊に掲載される意味に首をかしげながら、結局毎日怖いもの観たさに読んでしまうことになりそうだ。
出来ればこれからはもう少し男らしい菊治になってほしいものだ。